韓国の保育園、各地で閉鎖相次ぐ=今年上半期764園

韓国の保育園、各地で閉鎖相次ぐ=今年上半期764園

 江原道原州で保育園2園を経営するキム園長(48)は、1園を閉鎖することにした。昨年は、2園とも定員34人を満たしたが、今年はどちらも定員の半数に達しなかった。キム園長は「保育園を経営して15年だが、今年ほど定員割れするのは初めてだ。先生たちには申し訳ないが、土地を売って月給に当てるわけにはいかないから」と嘆いた。

 ここだけでなく、今年は全国各地で保育園の閉鎖が相次いでいる。0歳児から5歳児までを預かる保育園は1995年の9085園から2013年には4万3770園と約20年間にわたり増え続けてきた。ところが、昨年から園児数が伸び悩み、今年に入って6カ月で764園が閉鎖に至った。保育園の数が初めて大幅に減少したのだ。

■閉鎖保育園続出

 なぜこれほどまでに保育園が急減しているのだろうか。今年初めの「保育士による園児暴行事件」、政府と市・道の「ヌリ課程(満3-5歳児無償保育)予算」先送り、中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)発生などの影響を受けたと見られている。

 政府は2012年、所得とは関係なく乳児(0-2歳)と満5歳の全児童について、保育園に通う際に費用を支援する「無償保育政策」を導入した。すると、12年の出生児数(48万4550人)は前年に比べ1万3000人も増えた。これを受けて12年から13年の間に保育園が4000園近くも急増した。しかし、こうした政策により家庭で見るべき乳児まで保育園に通わせるという事態が発生、政府は翌年、所得に関係なく家庭で子どもを見る場合に支給する「養育手当」を導入した。このため保育園でなく養育手当をもらおうという母親が増え、保育園の中でも主に乳児を預かる「家庭保育園」が経営難に陥った。

キム・ヨンジュ記者 , パク・チンヨン記者 , チョン・ギョンファ記者
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