香港でインフル流行、韓国の空港で検疫強化

香港からの観光客などを対象に発熱状況をチェック
感染が疑われる場合は遺伝子検査も
MERSによる死者も1人増加

 香港でインフルエンザが流行し、今年だけですでに560人以上の死亡が確認されていることを受け、国もインフルエンザの水際対策に力を入れている。

 疾病管理本部は10日、香港からの入国者を対象に発熱などのチェックを強化し、症状が確認された場合は直ちにインフルエンザ・ウイルスの遺伝子検査を実施する方針を明らかにした。疾病管理本部の担当者によると、検査で陽性反応が出た場合、その後の行動要領が書かれた冊子を提供すると同時に、近隣の医療機関で早期に治療を受けることや、外出を控えることなどを勧告するメールも送っているという。疾病管理本部は香港の保健当局とも随時情報を共有することにしている。

 韓国国内で香港型インフルエンザが流行する事態に備え、疾病管理本部は治療薬タミフルの備蓄分(1200万人分)について、必要な場合はこれらを直ちに供給できる体制を整えている。疾病管理本部は「香港旅行中には個人衛生守則を遵守し、発熱やせきなどインフルエンザが疑われる症状が出た場合は、入国の際に国立検疫所に申し出て医療機関で診察を受けてほしい」と呼びかけている。

 一方で中央MERS(中東呼吸器症候群)管理対策本部によると、10日午後に157人目のMERS患者(60歳男性)が死亡したことがわかった。この患者は5月27日にサムスン・ソウル病院で感染したが、これとは別に以前から肺がんを患っていたという。この結果、MERSによる死亡者の数は36人となったが、新たに感染が確認された患者はこの日もなく、5人が退院したため現在治療を受けている患者の数は25人となった。退院した5人のうち4人はサムスン・ソウル病院と江陵医療院でMERS患者の治療に当たっていた医師と看護師だった。もう1人は城南で感染が疑われた小学生の父親(46歳)で、91番目の患者だった。

 現在、隔離者の数は前日よりも123人減り566人となっている。

 また集中管理病院に指定されていた江東慶熙大学病院は11日付けで管理病院の指定が解除され、その結果、管理病院はサムスン・ソウル病院だけとなった。中央MERS管理対策本部のクォン・ドクチョル総括班長は「現在WHO(世界保健機関)とMERS収束に向けた協議を行っている」と伝えた。

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