半導体とスマートホンに次いで韓国の代表産業として成長し典型的な内需消費財となった化粧品が、韓国の代表産業として急浮上している。韓国の化粧品輸出額が15年で約18倍に増え、ここ3年間の平均輸出増加率が31%を超えていることが、これを証明している。業界トップの化粧品メーカー「アモーレ・パシフィック」は、証券市場でここ1年間に株価が約3倍に上昇し、SKテレコム、サムスン電子に次ぐ「黄金株式」として成長した。
これだけではない。クリスチャン・ディオールやエスティローダーといった世界的化粧品ブランドが「韓国化粧品のコピー」に乗り出した上、英国・ロンドンに本社を置く世界トップの広告会社「WPP」は「2015 世界100大トレンド」と題する報告書で「韓国化粧品に注目せよ」と書いた。
本紙は8日、産業通商資源部(省に相当)と韓国貿易協会の資料をベースに昨年5億ドル(約600億円)以上輸出した139個の品目の輸出増加率を調査した結果、化粧品の輸出増加率は2013年に比べて52%と2位以下を大きく突き放して1位となった。今年1-3月期に限っては、化粧品の輸出増加率は99%に迫っている。貿易協会のシン・スングァン動向分析室長は「半導体、無線通信、石油化学、自動車など韓国の13大主力輸出製品の昨年の輸出増加率が2.9%にとどまったことを考慮すると、最近の化粧品の輸出増加率は注目に値する」と説明した。韓国は、輸出総額でも日本を抜き、フランス、米国、ドイツ、英国、イタリアに次いで世界の6大化粧品輸出国として浮上した。
韓国コルマーの姜鶴熙(カン・ハクヒ)代表は「化粧品は消費財のうち電子に次いで2番目に世界市場の掌握に挑戦する産業となる」との見通しを示した。
専門家たちは「韓国化粧品の跳躍は、スマートホンや半導体のような技術がなくても新しい製品を絶えず開発する韓国人特有の瞬発力と創意性が後押しした」と指摘する。特に先進国が色調に力を入れる一方、韓国では肌の保護や管理などを目的としたスキンケア(基礎化粧品)製品に集中するなど差別化した戦略を導入。これが的中したというわけだ。
大韓化粧品産業研究院のイム・ギョンヨン事務局長は「ここ10年間で世界の化粧品業界で新たに生み出された製品カテゴリーは、ほとんど韓国が起源となっている。ニッチ市場を先に占有した後、新製品を開発し、市場を育むといった韓国輸出の成功方程式が化粧品業界でも奏功している」と笑みを浮かべた。