院長の弁護人を務める法務法人「太平洋」は、朴泰桓が13年11月18日から男性ホルモン2回、成長ホルモン4回、ビタミン注射15回を打ったという診療根拠を示した。これに対して朴泰桓は、事前に用意した陳述書で、「腹に打った注射は(成長ホルモンであることが合っているなら)13年に1回くらいあった。その注射も病院の方から『打ってあげる』と言ったもので、私はドーピング上、問題がないかどうか何度も確認したが、『問題ない』と言われたので打った」と述べた。
だが、院長は「当初から朴泰桓に男性ホルモンと成長ホルモンを注射することを伝えていた」と主張している。院長が朴泰桓に無料で提供した同病院の老化防止プログラムには、男性ホルモン・成長ホルモン・ビタミン注射が含まれていた。
院長は今年2月、本紙インタビューで「朴泰桓は姉と昨年11月初めに病院を訪れた。彼の姉は『ここで打ったホルモン剤はドーピング上、問題があるのでは?」と聞いてきたので、『問題ない』と答えた」「朴泰桓と姉が昨年11月末にやって来て『男性ホルモン剤と成長ホルモン剤はドーピングで問題ないのか」と同じ質問をした。私は特に疑うことなく『問題ない』と答えた。職員たちは少し変だという反応だった」と語った。朴泰桓と姉は男性ホルモン剤に関する会話の部分を録音、検察に提出した。
本紙がインタビューした時、院長は「成長ホルモン剤の部分は事件と直接関係ないので、『患者の秘密保持』の観点から記事にしないでほしい」と頼んできた。院長も朴泰桓もホルモン剤が禁止薬物であることは知らなかったと主張している。しかし、選手と医師のどちらの過ちの方が大きいのかを法廷で争ううち、朴泰桓が男性ホルモン剤のほかに成長ホルモン剤まで注射していたことが明らかになってしまったものだ。