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格闘技と化したラグビー 海外組、肉弾戦への目覚め

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2015/7/16 6:30
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 9月開幕のラグビー・ワールドカップ(W杯)イングランド大会は、筋肉と筋肉の衝突音が今までよりも大きく響くだろう。ボールゲームと格闘技。2つの側面の間を常にシーソーのように揺れてきたラグビーは現在、急速に後者に振れている。タックル後の密集戦で相手のボールを奪う技術が急速に発達したため、めまぐるしく攻守が逆転。ボールを保持して華麗な連続攻撃を仕掛けるのが難しくなっている。

ジョーンズHC(左)率いる日本代表はW杯8強進出が目標=共同
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ジョーンズHC(左)率いる日本代表はW杯8強進出が目標=共同

体格の不利、運動量で補う日本

 2012年就任のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)のもと、いくつもの歴史的な勝利を挙げてきた日本代表が目指すのは、体格の不利をハイテンポの連続攻撃と運動量で補うラグビー。肉弾戦の比重が大きい今の時流は不利に働く。目標に掲げるW杯8強進出はますます高いハードルになっている。

 不安を和らげる要素があるとしたら、4年前の代表にはいなかった「海外組」の成長だろう。南半球最高峰リーグ「スーパーラグビー」で日本人が初めてプレーしたのは13年だった。7月閉幕の今季は過去最多の6人が参加した。

 もっとも「実際にプレーできたのは1人だけ」とジョーンズHCは厳しい。確かに、順風満帆だったのは所属のチーフス(ニュージーランド)で先発に定着し、プレーオフまで進んだ日本代表主将のリーチ・マイケルくらい。日本人第1号のスーパーラグビー選手、SH田中史朗はハイランダーズ(同)で初優勝を経験したものの、昨季より出番を減らした。稲垣啓太とツイ・ヘンドリックは1試合に途中出場しただけ。山田章仁、松島幸太朗はベンチ入りすらできなかった。

田中は昨季より出番を減らしたものの、ハイランダーズで優勝を経験した=AP
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田中は昨季より出番を減らしたものの、ハイランダーズで優勝を経験した=AP

 公式記録に残した足跡こそ小さいが、それぞれにとっては大きな歩みがあったと6人は口をそろえる。「試合に出られなくても吸収できる部分がいっぱいあった。マイナスは全然ない」と松島。“格闘技”は、体格やパワーで上回る相手と実際にぶつかって初めて成長できる部分が大きい。各所属チームでは、シーズン中でもフルパワーでの肉体接触を伴う練習を行っていた。W杯で求められる肉弾戦、密集戦の部分では、大きな上積みを得られたはずだ。

ウイング山田「体当てられる」

 ニュージーランド出身で体重103キロのリーチでも、強豪国のFW第3列と比べれば小柄な部類に入る。シーズン序盤は密集で自軍ボールに絡む巨漢を引きはがすのに苦戦していた。「向こうで重い人と一緒に、相当個人練習をした」という鍛錬のおかげだろう。最終戦となったプレーオフ1回戦では力負けする場面が大幅に減った。鋭いステップが持ち味のウイング山田も「しっかり体を当てられるようになった」と話す。

 激しいぶつかり合いで物理的に一回り大きくなった選手も多い。毎晩、必ず牛肉1キロを胃袋に放り込んでいたというプロップ稲垣の体重は5キロ増の120キロに。スピードが売りのセンター松島も5キロ重い86~87キロに増えた。

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