「きょうの健康」今週は「知っておきたい認知症」と題してお送りします。
今日と明日2日間ご一緒して下さいますのは歌手の瀬川瑛子さんでいらっしゃいます。
よろしくお願い致します。
今日はよろしくお願い致します。
認知症ですけれども関心はいかがですか?今まであったいろんな事を少しずつね忘れていってしまうっていう…とても怖いと思うんですよ。
ですから大変興味もありますし何か少しでもヒントになる事今日伺えればと思って参りました。
よろしくお願いします。
よろしくお願い致します。
ラインナップまずご紹介したいと思います。
今週このような4日間でして今日は1日目ですね。
教えて下さる方ご紹介します。
神経内科特に認知症の診断と治療がご専門です。
よろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
瀬川さん突然ですけども最近お仕事以外でどこかお出かけになりましたか?ええとはい。
あの…湯河原っていう所に夫と。
温泉ですか?よかったですね温泉。
行きました。
湯河原に着いた日の夕食なんですけどどんなもの食べたか覚えておられます?タケノコの旬のお料理。
覚えてらっしゃる。
お魚お肉。
へえ〜。
大変記憶力がよろしくていいと思うんですけども実は最初の質問で瀬川さんが認知症ではないと思っていました。
そうなんですか?1問目でお分かりになる。
それはどういう事ですか?それは瀬川さんがですねどこかに出かけたという事に対してすぐにお答え頂いたという事になります。
認知症の場合は最近どこかへ行きましたか?と質問しますと出かけた事自体を思い出せないという事があります。
つまり認知症は…こういう事が起きる訳です。
ただし認知症でないからといって安心していい訳ではありません。
認知症は誰がいつ発症するか分からないからなんです。
2012年の時点で認知症の人は450万人以上に上り65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症なんです。
10年後の2025年には高齢者の5人に1人が認知症だという推定もあります。
5人に1人というと…。
もう身近にね。
とはいってもですね過度に心配になる必要はありません。
認知症を予防する手だてが最近いろいろ分かってまいりました。
瀬川さんそしてまだ認知症になっていない全ての方に認知症の予防のためにできる事を知って頂きたいと思います。
お願いします。
お願いします。
さて今日お話しした「予防するには」のポイントはこちらになります。
ではまずポイント1。
瀬川さん認知症が進むとどうなると思いますか?認知症が進むとさまざまな…「リスク」は3文字ですし…。
…が正解です。
認知症は何らかの原因によって脳がダメージを受けて記憶力判断力が低下して日常生活に支障が出る状態になります。
日常生活への支障が認知症かどうかを区別する大きなポイントになります。
例えばお一人で買い物をする事が難しくなってしまう。
こういう症状が出てまいります。
実はそれだけではありません。
認知症で初めに起こるのが記憶力や日付曜日を把握する見当識など認知機能の障害です。
続いて起こるのが入浴や着替えなどができなくなる日常生活動作の障害。
そのあと起こるのが飲み込みや歩行などが困難になる運動機能の障害です。
寝たきりになる事もあり肺炎など命に関わる病気を起こしやすくなります。
治療の目的自体はこの進行を緩やかにする。
これが今の治療の現状になります。
まず第一として予防を心がける。
これが大切になってきます。
認知症は実は脳のいくつかの病気によって起きます。
認知症の中で最も多いのが…こちらは脳を断面にして見る事ができるMRIという画像になります。
こちらが正常な人の画像でこちらがアルツハイマー病の人の画像になります。
正常な方ですと海馬というのが脳の中にぎっしり詰まっていますがアルツハイマー病の海馬はこちらにありますように痩せて見えます。
海馬が痩せる事によって黒く示された脳の隙間が開いているのがお分かりになりますでしょうか?ほかの所にも黒いのが多いですよね。
おっしゃるとおりですね。
脳自体が例えばこういう場所もこちらに比べると隙間が増えていまして脳全体が萎縮してくるというのがアルツハイマー病になります。
この原因は何かという事ですけどもこちらはですね脳の組織を一部拡大した画像になります。
アルツハイマー病の脳では正常な方ではほとんど見られないしみのようなものがたくさん脳の中に見られる事が分かっています。
これはアミロイドβたんぱくという脳の中で作られる物質になります。
本来は作られたあとに分解されて消えていきますけどもうまく分解されずに多くたまり過ぎるとそれに反応して神経細胞が障害されて脳が萎縮してまいります。
高齢になりますとアミロイドβたんぱくを分解する働きが低下しやすくなるためこのアミロイドβたんぱくがたまりやすくなります。
このアミロイドβたんぱく瀬川さんいつごろから脳にたまり始めると思いますか?50代の終わりから60代入った頃とか。
実は最近のさまざまな研究によってこのアミロイドβたんぱくがアルツハイマー病を発症する10年から20年前からたまり始めるという事が分かってまいりました。
発症する10年も前…20年も前ですか?アルツハイマー病は主に高齢の方70歳代で発症する方が多いので早ければ50歳ぐらいでこのアミロイドβたんぱくがたまり始めるという事が言えます。
ですので50歳を過ぎたらこのアミロイドβたんぱくがたまり始めるかもしれないと考えて予防を心がけるこれが大切だと思います。
認知症の原因としてアルツハイマー病の次に多いのが脳梗塞や脳出血など脳血管の障害による認知症です。
ほかにも脳の中に特異な物質が現れる事で起こるレビー小体型認知症。
若くして起こるのが特徴の前頭側頭型認知症などがあります。
きょうのポイント2。
瀬川さんこれは何だと思いますか?特に中高年の方にとっては身近な病気だと思います。
せ…え?違いますよね。
今おっしゃったのは?生活…生活習慣ですか?はいそのとおりです。
喜んでいいのか…。
余計心配になりました。
どういう事なんですか?はい。
つまり高血圧糖尿病あるいはLDLコレステロール中性脂肪が高いといった脂質異常症こういう事が認知症のリスクになるという事が最近分かっております。
生活習慣病があってコントロールが不十分であるとアミロイドβたんぱくが増加しやすいなどによってアルツハイマー病になりやすい事が分かっています。
最近では糖尿病があるとアルツハイマー病のリスクが約2倍になるという事が分かっています。
倍になるんですね。
予防しないといけないですね。
脳血管障害については生活習慣病は血管に起こる動脈硬化に直結するため当然リスクになってきます。
食生活の改善適度な運動禁煙といった日頃の生活の見直しが大切です。
例えば油物でも半分衣を残すとかちょっとしょっぱいなと思ったらお湯を足すとか全部飲まないとか結構気を付けて…。
大事な心がけだと思います。
また生活習慣病がある人はのみ薬などによる治療を受けコントロールする事が認知症の予防には欠かせません。
きょうのポイント3。
物を使うとか?正解はですね…やだゆっくり考えれば分かるのにすいません。
脳を使いながらウォーキングなどの有酸素運動を行うと記憶力や判断力などの認知機能の低下を防ぐ事ができます。
その理由としてですね脳の血流が増加して脳が活性化されるあるいは最近の研究では運動を続けた人の脳の大きさを観察すると脳の萎縮を防ぐ効果があるという事が分かりました。
こちらが実際のデータになります。
認知症の予防に関する健康講座を2回のみ受けただけの65歳以上の方MRI検査によって脳全体の中で萎縮している部分の割合を調べましたところ6か月後に平均約8%から9%に増えている事が分かりました。
もう一つのグループが週に2回脳を使った運動を6か月続けたところこの萎縮の割合が平均7%からほぼ変わらないという事が分かりました。
変わらずに。
…いられるっていう事はなるべくなら進ませたくないですもんね絶対に。
運動によってアミロイドβたんぱくの分解が進むあるいは脳の神経細胞を育てる物質の分泌が促されるこういった効果が運動によって得られるという事が考えられています。
それではどんな運動なのか知りたいですよね。
すぐにやりたい。
すぐにじゃあここで教えて頂きましょう。
手軽に行いやすいのが歩きながらしりとりです。
歩きながら?はい。
通常の運動よりも考える事に意識がいきますので必ず安全な所でやって頂ければと思います。
今日はこの場で足踏みをしながら行いましょうか。
はい。
それでは足踏みやってみたいと思います。
1212。
でここからしりとりを私から始めたいと思います。
やだどうしよう。
はい始めます。
スイカ。
カイロ。
ロ…。
ロケット。
トケイ。
イド。
ドドドドーナッツ。
よかった。
ツミキ。
キ…キンギョ。
ギョ…ギョ…ギョギョギョギョギョ。
(笑い声)分かんないけど。
考え過ぎる事に集中しますと運動がどうしてもおろそかになってしまいますので…スラスラと答える事が大事なのではなくて考えながら運動を続ける。
じゃあ間が空いても別に大丈夫。
大丈夫なんですよ十分です。
毎日じゃなくても?一度に10分を3回に分けてやって頂くというのでも結構です。
少し息が上がる程度のペースでやって下さい。
腕をしっかり振ってももをしっかり上げて頂いて。
足を上げるのもポイントなんですね?はいなってきます。
頭を使った有酸素運動ほどではないんですけども有酸素運動だけでも脳への効果が分かっています。
やっぱりみんなで一緒にすると楽しいですよね。
この皆さんで一緒にやるというのが大事なポイントになります。
運動の次に認知症の予防の効果がはっきりしているのが人と人とのコミュニケーションなんです。
日常的に人と関わって会話をしている人はそうでない人と比べて認知症になりにくいという事が分かっています。
でもなかなか1人暮らしの人も多いですがそういう場合にはどうしたらいいですか?例えば週に1〜2回コミュニティーセンターに行って仲間と脳を使った運動を行って週に2〜3回早歩きで散歩をする事こういう事を組み合わせて運動を習慣化するとよろしいかと思います。
そうですね。
今日ピンポイントで教えて頂いた感じで非常にうれしいです。
これらの対策を是非実践して頂いて続けて頂ければというふうに思っております。
予防できるぞ〜!予防できるっていうそこですよね。
ありがたいですよね。
ありがとうございました。
また明日もお願い致します。
2015/07/06(月) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 知っておきたい 認知症「予防するには」[解][字]
認知症は一度発症すると元に戻すことが難しい。しかし生活習慣に注意したり、脳を使う運動、社会との関わり方などが予防に効果を発揮することが最新の研究で分かってきた。
詳細情報
番組内容
認知症は記憶力や判断力が低下して日常生活に支障が出る状態。一度発症すると元に戻すことが難しい。しかし生活習慣に注意したり、脳を使う運動、社会との関わり方などが予防に効果を発揮することが最新の研究で分かってきた。スタジオで実際に運動方法も実践する。【出演】瀬川瑛子、池内健、桜井洋子アナウンサー
出演者
【ゲスト】瀬川瑛子,【講師】新潟大学脳研究所教授…池内健,【キャスター】桜井洋子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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