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体内にガーゼ29年放置、病院側が800万円賠償で和解
神戸市長田区の市立医療センター西市民病院で手術を受けた40歳代の男性患者が、29年間にわたって医師が取り忘れたガーゼが体内に残って腫瘍ができ、摘出手術で後遺症が生じたとして、運営する「神戸市民病院機構」(中央区)に1900万円の損害賠償を求めた訴訟が神戸地裁であり、同機構が800万円を支払う条件で和解した。9日付。
訴状では、男性は1983年12月、市立西市民病院(当時)で腎臓手術を受けた際、腹部にガーゼが残った。2009年9~10月、腹痛で同病院などを受診し、ガーゼを覆うように腫瘍があるのが見つかった。12年11月に、ガーゼの除去と腫瘍摘出の手術を受けたが、腫瘍に癒着した神経の一部も取り除いたため、左足にしびれや痛みが残り、通院している。
男性は、ガーゼを忘れた執刀医の注意義務違反は明らかだと主張。同機構は「83年の手術記録が残っていないためミスの証拠はなく、摘出による後遺症の可能性も説明した」などと反論していた。和解について、同機構は「早期解決を図るために応じた」としている。
(2015年7月16日 読売新聞)
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