KBSが報道責任者を交代、「李承晩日本亡命」報道の懲戒か

国際部・デジタルニュース部など
言論労組KBS本部「明らかな懲戒人事」

 KBSは、批判を浴びている「李承晩(イ・スンマン)政権、韓国戦争(朝鮮戦争)発生直後、日本亡命打診」という報道の責任者を交代することにした。

 KBSは14日、報道局国際部門主幹と国際部長、デジタルニュース局長とデジタルニュース部長らを交代させることを明らかにした。該当の職務担当者については審議室などで発令があった。KBSは先月24日、山口県の図書館で保管されていた資料を引用、「李承晩政権は韓国戦争発生直後、日本に亡命を打診していた」と報道した。また、デジタルニュース部は25日午前、「戦争のさなかで指導者が亡命試みる 宣祖と李承晩」という見出しで、壬辰倭乱(文禄・慶長の役)時に都を捨てて義州へ避難した朝鮮時代の第14代国王・宣祖と李承晩元大統領を同一視し批判する内容の記事を掲載した。

 これらの報道があった直後からKBSのホームページやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上には「ずさんな報道だ」と批判が殺到、李承晩大統領記念事業会など複数の団体も抗議声明を出した。報道の根拠が政府の公式文書でなく山口県の地方文書だけで、ほぼ同じ内容の報道が20年前に日本の新聞でもあったが、KBSはそれに対し検証もしなかったというものだ。KBSは問題になった報道に対する反論報道を行い、記事をKBSホームページやポータルサイトから削除した。また、KBS取締役会は8日、報道の過程に関して真相究明のために臨時取締役会を招集したが、結論は出なかった。

 KBS広報室関係者は「今回の人事は基本的に各職務任期に基づく交代人事だ」としている。しかし、全国言論労働組合KBS本部は15日の声明で「(李承晩政権に関連して)該当報道の責任を負うべき立場にある幹部の職を全員解いたのは明らかな懲戒人事だ」と述べた。KBS記者協会も同日、声明で「(李承晩元大統領関連報道に対する)屈辱的な反論報道に続いて不当な懲戒人事が行われた」と反発している。

権承俊(クォン・スンジュン)記者
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