辺野古:「埋め立て承認、瑕疵」県第三者委 取り消しも

毎日新聞 2015年07月16日 11時37分(最終更新 07月16日 13時13分)

米軍普天間飛行場の移設先、名護市辺野古沿岸部=2015年5月16日、本社機「希望」から
米軍普天間飛行場の移設先、名護市辺野古沿岸部=2015年5月16日、本社機「希望」から

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画を巡り、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認判断を検証していた沖縄県の第三者委員会(委員長、大城浩弁護士)は16日、承認手続きに「法律的瑕疵(かし)が認められる」とする検証結果をまとめ、翁長雄志(おなが・たけし)知事に報告書を提出した。 翁長知事は記者団に「内容についてしっかりと精査し、承認取り消しも含めてどのように対応することが効果的なのか慎重に検討していきたい。検証結果は最大限尊重し、私の判断を下していきたい」と述べ、埋め立て承認を取り消す可能性を示唆した。

 第三者委は今年1月に設置され、公有水面埋立法が埋め立て承認の要件とする環境保全策が十分だったかなどについて検証してきた。その結果、政府の計画は生態系への評価が不十分で「環境保全措置が適正とは言い難い」と指摘。埋め立ての必要性そのものにも「合理的な疑い」があるとし、同法の要件を満たしていないのに埋め立てを承認した県の手続きには法律的な問題があると結論づけた。

 翁長知事が承認を取り消せば、政府は移設作業を進める根拠を失う。しかし政府は「申請手続きに瑕疵(法的な問題)はない」(菅義偉官房長官)として今夏にも辺野古沿岸部の埋め立て工事を開始する構え。このため、知事が承認を取り消しても、行政不服審査法に基づく国土交通相への不服審査請求など政府は法的手続きによる対抗措置を講じるとみられる。

 普天間飛行場移設に向けた辺野古沿岸部の埋め立ては、政府が2013年3月に県に申請。県は公有水面埋立法に基づいて審査し、13年12月に当時の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事が承認した。

 菅義偉官房長官は16日午前の記者会見で、沖縄県の第三者委員会が報告書で前知事による埋め立て承認手続きに「瑕疵(かし)がある」とする検証結果をまとめたことを受け、「わが国は法治国家であり、行政の継続性という観点から、既になされた承認に基づいて工事を進めさせていただいている」と述べ、工事を進める方針に変わりのないことを強調した。【佐藤敬一、高本耕太】

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