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【神奈川】

「民意無視ひどい」 安保法案採決強行 県民から批判、懸念

会見する鷹巣さん(右から2人目)と国会議員ら=東京・永田町で

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 「強引すぎる」「国民の声が届いているのか」−。安全保障関連法案が衆院特別委員会で可決された十五日、各地の県民から採決強行を批判する声が相次いだ。十六日の衆院通過を目指す与党に対し、「民意無視がひどい」「何を言っても政権が暴走していくのでは」と懸念する声も上がった。 (猪飼なつみ、山田祐一郎、吉岡潤、西岡聖雄、草間俊介、横井武昭)

 横浜市磯子区の事務職員の女性(59)は「やっぱり可決したのか」と落胆した様子。「これだけ国民の反対が多いのに、憲法学者も違憲だと言っているのに、その声が届いているのでしょうか」と不安を見せた。「どうして自民党はこれほど急いで押し通すのか、理解できない。審議時間の長さを強調するけれど、とても議論が尽くされたとは思えない」と訴えた。

 戦時中、出身地の仙台で空襲を経験した横浜市南区の無職日下文雄さん(76)は「焼夷(しょうい)弾が落ちる場面を見ている。戦争に巻き込まれるのは反対」と話した。安倍首相が国民への理解が広がっていないことを認める発言をしたことについて「自分も理解できない。内閣でも理解できていないから国民に説明できていないのではないか」と指摘した。

 知人の連絡で採決強行を知った藤沢市の福祉施設職員、藤田靖正さん(35)は「特定秘密保護法(制定)のときからずっと、民意無視がひどい」と憤る。昨年十二月の総選挙で自民党が大勝したが、「有権者は個別の案件全部を認めたわけではない」と話した。

 開成町の会社員諏訪敏之さん(52)も「衆院選で経済効果を期待して自民に投票した人は多いが、改憲や解釈変更を望んで投票した人は周りにいない」と指摘。「米国の軍事行動の参加要請を断れるのか。国民の命を守るためと言うが、逆に原発や駅、海外の日本人がテロの標的になる恐れが高まるのでは」と危惧した。

 所属するNPOの打ち合わせをしながら採決強行を知った鎌倉市の主婦黒瀬聖子さん(55)は「法案には反対です。日本は自衛力による国際貢献よりも、政府開発援助や技術支援による国際貢献に力を入れたほうが、国際社会から尊敬をうけるはず」と話した。

 川崎市麻生区の団体職員、斎藤千尋さん(28)は、若い学生グループや政治に関心のない人まで反対の声を上げたことに注目していたという。「それなのに、強行採決するなんて信じられない。ショックです。これでは民主主義ではない。何とか止めたいと思うが、明日もこのまま決まってしまえば、これからも国民が何を言っても政権が勝手に暴走していくことになるのでは」と懸念した。

 

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