東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

「歴史残る再審決定を」 砂川事件元被告ら意見陳述

 一九五七年に旧米軍立川基地(東京都立川市)の拡張に反対する学生らが逮捕された砂川事件で、有罪が確定した土屋源太郎さん(80)=静岡市=ら元被告三人と遺族一人が裁判のやり直しを求めた再審請求審で、土屋さんらの意見陳述が十五日、東京地裁であった。審理は非公開。終了後に土屋さんらが記者会見し、陳述内容を明らかにした。

 事件では東京地裁が五九年三月、「米軍駐留は憲法違反」として、土屋さんらに無罪を言い渡した。上告を受けた最高裁は同年十二月、「自国の存立を全うするために必要な自衛の措置をとりうるのは当然。日本を守る駐留米軍は違憲ではない」と判断し、地裁判決を破棄。差し戻し後の審理で土屋さんらは罰金の有罪判決を受け、確定した。

 会見で土屋さんは「最高裁判決が無効なのは明らか。意見陳述では、歴史に残る決定を出してほしいと裁判長に訴えた」と語った。

 政府が砂川事件の最高裁判決を根拠に、安全保障関連法案を合憲と主張していることを「まったくでたらめな解釈」と指摘。「八割の国民が疑問を持っている状況での強行採決は、立憲主義への冒涜(ぼうとく)」と批判した。

 土屋さんらは再審請求で、当時の最高裁長官が米側に、最高裁判決の見通しを伝えたとする米公文書を新証拠として提出。「公平な裁判を受ける権利を侵害された」と主張し、確定判決を取り消す「免訴判決」を求めている。土屋さんらは八月七日までに最終意見書を地裁に提出し、審理は結審する見通し。

 

この記事を印刷する

PR情報