リチャード・ブランソン氏やビル・ゲイツ氏は「ToDoリスト」を長々と用意して、A1、A2、B1、B2、B3、C1などと優先順位をつけたりするだろうか。
時間管理術と生産性について調査をするため、私は200人以上の大富豪やオリンピック選手、オールAの学生、起業家に取材してきた。取材の際、いつも必ず最善の時間管理術と生産性に関するアドバイスをもらえないかと頼む。その結果は、取材した人たちのだれも「ToDoリスト」作りに言及していないのだ。
■ToDoリストはストレス
「ToDoリスト」には3つの大きな問題がある。
第1に、「ToDoリスト」では所要時間がわからない。業務リストが長大になると、我々は数分でさっと完了できることに先に取り掛かり、時間が長くかかりそうな項目は終わらないままにしがちだ。仕事などの進行具合を管理できるサービスを展開する企業、iDoneThisの調査によると、「ToDoリスト」の41%は未完に終わるという。
第2に、「ToDoリスト」では緊急と重要の区別がつかない。繰り返すが、人間は緊急性があると急いでとりかかるが、重要なことは無視する傾向がある(次回の結腸内視鏡検査や乳がんのマンモグラフィー検査の検査時期は過ぎていないか)。
第3に、「ToDoリスト」はストレス要因になる。心理学で「ツァイガルニク効果」として知られているが、完了していない業務はどうしても頭から離れなくなる。日中は仕事に圧倒され、夜には眠れなくなるのもこういうわけだ。
■予定表にすべて書く
私が調査を進めるなかでいつも浮かび上がってくるポイントがある。
生産性が極めて高い人たちは「ToDoリスト」を基に仕事をしない。予定表を基に生活と仕事を進めている。
シャノン・ミラー氏は1992年と1996年のオリンピックで体操の米国代表として活躍し7個のメダルを獲得した。現在は起業家として忙しい日々を送りながら「It’s Not About Perfect(完璧でなくていい)」という著書を発表した。最近の取材でミラー氏はこんな話をした。
「(選手として)練習をしていたころ、私は家族の時間、日々の雑用、学校の勉強、オリンピックに向けた練習、容姿の手入れ、その他のしなければならない項目を、非常に細かい予定表に書き出して、これらの間のバランスをとっていた。優先順位をつける必要に迫られていた。現在に至るまで、私はほとんど分刻みの予定表を用意している」
デイブ・カーペン氏は2つのスタートアップ企業を共同創業者として成功させたほか、ニューヨークタイムズ紙でベストセラーになった本の著者でもある。やるべきことを終わらせる秘訣をたずねたところ、こんな答えが返ってきた。
「その事柄が私の予定表にのっていなければ、それは完了しない。しかし、予定表に書かれていれば、完了する。日々の会議や書類の確認、執筆その他の必要な活動をこなすため、私は予定表に15分刻みで書き込んでいる。私に会いたい人とは誰とでも会う機会を設けるようにしているが、その時間は『オフィスアワー』として週1時間だけ取ってある」
リチャード・ブランソン氏やビル・ゲイツ氏は「ToDoリスト」を長々と用意して、A1、A2、B1、B2、B3、C1などと優先順位をつけたりするだろうか。…続き (7/16)
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