ドイツ:元ナチ親衛隊員に有罪…94歳、ホロコースト関与
毎日新聞 2015年07月15日 20時59分(最終更新 07月16日 08時48分)
【ベルリン中西啓介】第二次大戦中にアウシュビッツ強制収容所で、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)に関わったとして、殺人ほう助罪で起訴された元ナチス親衛隊軍事部門(武装SS)所属のオスカー・グレーニング被告(94)に対する判決公判が15日、ドイツ北部リューネブルクの地方裁判所であり、同地裁は禁錮4年を言い渡した。アウシュビッツに関与した人物の裁判としては最後の刑事裁判になる見通しだ。
検察側は禁錮3年6月を求刑していたが、共同原告団として裁判に関わった収容所からの生還者らは「刑が軽すぎる」と強く反対しており、求刑を上回る判決が出された。検察は判決確定後、被告の健康状態を調べ収監するかについての判断を行う。
判決などによると、被告は1942〜44年にアウシュビッツに配属された。収容所に到着した人の荷物を検査して金品を抜き取るなどの任務を行い、約30万人の虐殺を助けた。
被告は公判で弁護士を通じて「殺人に直接加担していないにしろ、私の任務がアウシュビッツを機能させることに寄与したことは確かだ」と起訴内容を認めていた。弁護側は高齢や85年に一度は不起訴になっていることなどから無罪を主張していた。