近い将来、スプレーでシューッと吹きかけるような殺虫剤は使わなくなるかもしれません。東北大学大学院農学研究科の堀雅敏准教授の研究グループが、青色光を当てると昆虫が死ぬことを発見したと発表しました。
波長の短い紫外線が生物に対して強い毒性を持つことは知られていましたが、波長の長い可視光である青色光が昆虫に致死性があると分かったのは初めて。ショウジョウバエや蚊(チカイエカ)のサナギにさまざまな波長の青色光を当てて実験したところ、ある特定の波長において紫外線よりも強い殺虫効果が得られたとのこと。人間の目がPCやスマホのディスプレイから発せられるブルーライトで傷つくのと似た仕組みではないかと推測されています。
昆虫の種類によって効果のある波長や耐久力が違うといったことはありますが、可視光が昆虫に強い毒性を持つというのはこれまでの常識を覆す大きな発見。青色のLED光を当てるだけで殺虫できるといったような、新しい害虫防除装置の開発などに役立つと期待されています。
(たろちん)
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