-
現代アートが嫌いでもいい。大規模すぎる『大地の芸術祭』ガイド
現代アートと日本の里山。異例のコンビが積み重ねた15年の魅力を振り返る
-
女子高生はなぜ輝ける? 冷静に大人を裏切る現実主義なsympathy
制服の無敵性は脱ぎ捨てた。デビューが決まっても、甘い夢を見ないのはなぜ?
-
今さら人に聞けない、写真再入門
自分にとって相性の良いカメラとは? 本城直季と探る、写真表現と技術の関係
-
菊池亜希子が『海のふた』で腑に落ちた、自分の居場所の見つけ方
よしもとばなな原作、独自の感性を持つモデルが地方都市やお金の問題を語る
-
岡田将生が挑戦する世界的ホラー演劇で味わう「恐怖」という快楽
劇場空間でホラーを楽しむとどうなるのか? 虚構と現実が入り乱れる恐怖
-
あの人の音楽が生まれる部屋
アカシック、突然の解散後、約2年間音信不通に。再会してデビューするまで
-
21世紀の女子解放論 もっともっと、気持ちいい毎日を
北条かや、男性恐怖症のままキャバクラや整形の世界に潜入。意識変化を語る
-
「他人」とは何だろう? 異色のアート展で知る「自分」の弱さ
SNSで可視化されるようになった他人の意見。その受け入れ方をアートで学ぶ
-
アートコレクターという豪快な生き方「高橋コレクション」を観る
草間彌生からChim↑Pomまで。日本の現代アートを集め続ける精神科医の正体
-
作家・いしいしんじと散策する、京都で初めての「国際芸術祭」
ついに京都が芸術祭ブームに参戦、『PARASOPHIA』その成果はいかに?
-
絵を見るってどういうこと? 本物じゃないフェルメールから考える
フェルメール作品がまさかの大集結。「複製画」によって進化する美術鑑賞
-
「人生ラフ&ピース」なレキシと行く江戸東京博物館・お江戸探訪
江戸博常設展示室リニューアル 歴史を愛する音楽家が語る、史実の裏のドラマ
-
時代を超えて愛され続ける岡崎京子の魅力を、今日マチ子と紐解く
小沢健二もシークレットライブで登場した岡崎京子初の大規模展を巡る
-
イタリア文学の巨匠が日本での過酷な生活を経て描いた女性の物語
中谷美紀、神野三鈴出演の二人芝居は、「キャラ立ち」する二人の女王を描く
-
北野武インタビュー「老人を大切にしようなんて、大きなお世話」
海外で高い評価を得た北野映画は何故エンターテイメントに振れていったのか
-
ヤマジカズヒデ×チバユウスケ 飾らないカリスマたちの音楽談義
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとdipの結成から今日までの24年間を回顧
-
しりあがり寿に教えてもらう、めんどくさがりな脱力系芸術論
紫綬褒章受賞のギャグ漫画家が、アートでも「常識を後ろから膝カックン」
-
わざわざ足を運んで観ることの意味ってどこにある?「劇場」入門
小説を読むより根源的な欲求「舞踊」が今世界にできること 金森穣×大澤真幸
-
山奥で暮らす高木正勝が届ける、人生を変える「感じ方」の授業
もの作りの神髄に触れる最後のチャンス?希代の音楽家が山奥に越した理由
-
伊勢谷友介が語る、未来を変えるためにアーティストができること
映画『ザ・テノール』出演と共に、日韓関係・資本主義・芸術を考える男の言葉
-
アーティストをやめる、苦渋の決断が生んだ現代芸術チーム「目」
天才・荒神明香と共に。エゴやコンプレックスを乗り越えて目指したもの
現代アートが嫌いでもいい。大規模すぎる『大地の芸術祭』ガイド
- 文:杉原環樹
- 撮影:佐々木鋼平
- (2015/07/15)
過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地、越後妻有(新潟県十日町市、津南町)地域の広大な土地を美術館に見立て、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』。農業を通して大地と関わってきた「里山」の暮らしが今も豊かに残っている地域で、「人間は自然に内包される」を基本理念として集められた作品群を巡る旅は、地域作りの先進事例として、国内外から注目を集めています。
誰にとっても未体験の試みだった第1回『大地の芸術祭』(2000年)は、ここ10年ほどで一気に数が増えた地方活性化のためのアートプロジェクトの潮流を作り出した先駆的な実験でもありました。しかしその歩みは平坦ではなく、現地の自治体や住民による厳しい批判との戦いの月日でもあったと言います。
過酷な自然環境の中で生きる人々に対する、総合ディレクター・北川フラムの熱い想いから始まったという『大地の芸術祭』は、15年間の歳月を経てどのように変わったのでしょうか。また、多くの反対意見に北川さんはどう立ち向かってきたのでしょうか。開催準備に追われる『大地の芸術祭』の様子を一足早く、北川さんに案内していただきました。
(メイン画像:『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』 草間彌生『Tsumari in Bloom』2000年 photo:Osamu Nakamura)
北川フラム(きたがわ ふらむ)
1946年新潟県生まれ。アートディレクター。東京藝術大学卒業。主なプロデュースとして、『アントニオ・ガウディ展』(1978-1979)、『子どものための版画展』(1980-1982)、『アパルトヘイト否!国際美術展』(1988-1990)など。地域作りの実践として『瀬戸内国際芸術祭』『大地の芸術祭』の総合ディレクターをつとめる。
ART FRONT GALLERY
大地の芸術祭の里
東京23区を超える面積に、380点もの現代アート作品が並ぶ「世界最大級の芸術祭」
「世界最大級の芸術祭」という少し大袈裟な紹介をしましたが、その表現は間違いではなく、開催場所となる越後妻有地域の面積はなんと約762平方キロメートル(東京23区の総面積が約623平方キロメートル)。そんな里山地域に2012年の開催時には、48万人余りが訪れました。今年も約200の集落に380点の作品(新作180点)が設置されています。
『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』 Ilya & Emilia Kabakov『The Rice Field』2000年 Photo:Osamu Nakamura
とてつもなく大規模な『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』の巡り方には、決まった順番はありません。「どこから訪れたらいいの?」と途方に暮れてしまいそうになりますが、とりあえず最初に訪れておくべきスポットが、JR十日町駅から徒歩圏内の越後妻有里山現代美術館「キナーレ」。原広司+アトリエ・ファイ建築研究所の設計による同館は、インフォメーションセンターや温泉、地域の文化を伝える常設展示などを含む、『大地の芸術祭』を巡る旅の起点と位置付けられる施設です。
越後妻有里山現代美術館「キナーレ」 photo by Osamu Nakamura
ここで合流していただいたのが、本日の案内役であり『大地の芸術祭』総合ディレクターの北川フラムさん。『大地の芸術祭』のほかにも、2010年に始まり、2013年開催の第2回には100万人以上の来場者数を記録した『瀬戸内国際芸術祭』も指揮するなど、数多くの芸術祭を手がけてきた地域型アートプロジェクトの先駆者です。
彼がまず案内してくれたのが、「キナーレ」内部にある回廊空間で設営されている、現代アート界の巨匠・蔡國強(ツァイ・グオチャン)さんによる新作『蓬莱山』。蔡さんは、第1回から毎回出品している『大地の芸術祭』の常連です。中央の池には緑の島が、回廊の天井には藁を編んだようなオブジェが浮いていますが、これは一体?
『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』 蔡國強『蓬莱山』制作中の様子
『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』 蔡國強『蓬莱山』
北川:タイトルの『蓬莱山』も示す通り、ここでのテーマは「理想の島(ユートピアアイランド)」。近年、東アジアでは島を巡るトラブルが相次いでいますが、蔡さんはこの問題を軽やかに扱って、「理想の島とは何か?」を問うている。回廊に浮かぶ藁でできたオブジェは、船や人、鳥のかたちをしていて、地元の人たち含めたボランティアの力も借りて作られています。最終的には千体近くになる予定なんですよ。
蔡さんは同作以外にも、生まれ故郷の中国福建省から移築した「登り窯」を利用する「ドラゴン現代美術館」(津南エリア)で館長兼キュレーターを務めるなど、『大地の芸術祭』に幅広く関わっています。北川さんの口ぶりから感じられるのは、そんな蔡さんへの圧倒的な信頼感。のどかな地方の片隅に作られつつある大作の予感に、早くも興奮を感じます。
杉原環樹
ライター。1984年生まれ。出版社勤務を経て、現在は美術系雑誌や書籍を中心に、構成・インタビュー・執筆など。
tmksghr@gmail.com
CINRA.STORE カルチャーセレクトショップ
-
秋山花 - iPhone6ケース「Ships in the Forest 」
¥3,780
ぬくもりあふれる手描きの質感に癒される
-
増田光 - ムキムキマグ 子持ち(イエロー)
¥3,240
子グマを抱えたたくましいクマのマグカップ
-
グッドデザイソ振興会 - iPhone6ケース「シャケーン、文字文字!」
¥3,780
グッドデザイソ×森翔太のコラボケース
-
medo - エナメルブローチ「ソフトクリーム」
¥2,000
みんな大好きソフトクリームのブローチ
-
Danke - Danke レインケープ(Green Check)
¥3,240
アウトドアやフェスでオシャレに雨対策!
-
Kanae Entani - iPhone6ケース「Botanical sample」
¥3,780
季節の花によって引き出される思い出
-
SUMMER - 洋梨ピアス
¥2,592
ちいさな洋梨のピアス
-
sneeuw - iPhone6ケース「pieces_blue」
¥3,780
ファッションブランド「sneeuw」
-
小山健 - Tシャツ「さち子とムギ」(ホワイト)
¥3,240
奥さんと猫のほんわかTシャツ
-
Crepe. - ブローチ「猫むす」
¥5,940
猫がおむすびと一体化
-
COET - 頭陀袋 CANVAS SHOULDER BAG(キナリ)
¥12,096
軽くて丈夫な大きめショルダー
-
groovisions - iPhone6ケース「GRV2786」
¥3,780
「chappie」がリニューアルカラーで登場
-
POS+ - 腕時計「V03D CO/GY/NY」
¥24,840
北欧らしいシンプルなデザインウォッチ
-
WORLD HAPPINESS 2015 - 【特典付】『WORLD HAPPINESS 2015』Aブロック指定チケット※レジャーシート付
¥8,800
-
Kidori Kidori - トートバッグS「![雨だれ]トート」
¥1,944
アルバム『![雨だれ]』発売記念トート
-
ミズイロトシロ - 「きらきらした」ピアス / イヤリング(グリーン)
¥7,560
ミラーを布で包んだきらきらピアス