2020年の東京五輪に向けて都心部の再開発計画が急ピッチに進行するなか、オフィスビルの供給過剰が指摘され始めた。東京では「2003年問題」「2010年問題」と過去2回、同様の課題が取り沙汰されたが、その都度、大幅な市況悪化には至らずに乗り切ってきた。しかし、新たな「2020年問題」は超高層ビルの建設ラッシュに加え、五輪後の需要減が予想されるなど、今度こそ現実になるのでは、と懸念されている。
丸ビル30棟分
「この1年に国家戦略特区などで都市計画決定された再開発プロジェクトは丸ビル(延べ床面積16万平方メートル)20棟から30棟分に上る。オフィスビルが供給過剰に陥る懸念がある」
こう指摘するのは、都市計画の専門家で東京都の副知事として都市整備を指揮した明治大学の青山●(にんべんに分の刀を月に)教授。国家戦略特区での容積率緩和などの追い風もあり、湾岸や東京駅周辺に加え、虎ノ門・赤坂地区、品川・田町地区、浜松町・竹芝地区などでも超高層ビルを建設する再開発計画がめじろ押しとなっていることに危機感を示す。