月の南極:探査目指す…20年代初頭に 文科省小委

毎日新聞 2015年06月25日 21時39分(最終更新 06月26日 00時05分)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、日本初の月面着陸を目指す無人小型探査機「SLIM」=JAXA提供
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、日本初の月面着陸を目指す無人小型探査機「SLIM」=JAXA提供

 文部科学省宇宙開発利用部会の小委員会(主査=藤崎一郎・上智大特別招聘<しょうへい>教授)は25日、2020年代初頭に「月の南極探査を目指す」との報告書をまとめた。19年度をめどに打ち上げる無人機「SLIM」で月面への軟着陸を成功させ、その技術を探査に活用するとしている。国の宇宙政策委員会に近く提言する。

 報告書は宇宙分野の国際協力について、月と火星の無人探査、月の有人探査、火星の有人探査と、段階的な方向性を示した。

 その上で、月に関して「取り組みが遅れると、国際的な発言力の低下を招き、将来の月面利用の場や権益獲得の機会を失う恐れがある」と指摘。月の南極探査を「日米協力による実施も視野に、我が国も最優先で取り組むべき領域」と位置づけた。

 月の北極や南極には、人類の長期滞在を可能にする水や氷が存在する可能性がある。太陽光発電に必要な日照の条件も良いため、米国などが探査を計画している。【斎藤広子】

最新写真特集