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 15日の安全保障関連法案の強行採決を受け、法曹界や宗教界、平和団体などから抗議が相次いだ。

 東京弁護士会は法案の撤回・廃案を求める声明を存命の歴代会長24人全員の連名で発表。歴代会長の連名による声明は初めてという。そのうち12人がそろって会見し、伊藤茂昭・現会長は「法案は違憲という意見で一致した。法律家として絶対に譲れない一線を越えたと判断している」と語った。声明は法案が憲法9条に反すると指摘し、「立憲主義および国民主権を真っ向から否定するものである」と批判している。

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は15日に「70年前の生き地獄を体験した被爆者はだまって見過ごすことはできない」とし、大阪府保険医協会も理事長名で「立憲主義と議会制民主主義を破壊した」と指摘。真宗大谷派(東本願寺、京都市下京区)の里雄康意宗務総長は「過去の歴史に学び、未来を開くことに逆行する」と法案の即時撤回を求めた。

 浄土真宗本願寺派の門徒の石橋純誓(じゅんせい)さん(52)=広島県呉市=は13日、全国の門徒有志約600人と連名で安倍首相に抗議文を送った。全国児童・青少年演劇協議会(大阪市)は「子どもたちに夢、希望、未来を保障できない」として11日に反対声明を発表。運営委員長の松本則子さんは「怒りを感じる」と話す。公益社団法人自由人権協会、日本民間放送労働組合連合会(民放労連)なども15日、抗議声明を出した。

 同志社大の教職員グループは約50人の有志が賛同しているとした声明を発表。13日の衆院特別委の中央公聴会で学長の村田晃嗣氏が安保法案に賛意を表明したことに触れ、「同志社大のイメージを大きく損なう」と指摘した。

■強行採決への抗議声明を出した主な団体

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)

公益社団法人自由人権協会

立憲デモクラシーの会

真宗大谷派(東本願寺)

日本カトリック正義と平和協議会

日本ジャーナリスト会議

日本マスコミ文化情報労組会議

日本民間放送労働組合連合会(民放労連)

日本ペンクラブ

日本医療労働組合連合会(医労連)

環境NGO「グリーンピース・ジャパン」