残る1体も早期返還要求=対馬で盗難の仏像—政府

 長崎県対馬市の神社から韓国人窃盗団によって持ち去られた仏像1体の返還を韓国検察当局が決定したことを受け、日本政府は同市の寺から盗まれたもう1体の仏像についても早期返還を引き続き韓国政府に要求していく方針だ。

 韓国外務省から15日午前、在韓国日本大使館に返還の連絡があった。これに関し、菅義偉官房長官は同日の記者会見で「もう1体も速やかに返還するよう強く求めていく」と強調した。返還決定が日韓関係に与える影響については「盗難に遭ったのだから、返還するのは当然ではないか」と述べるにとどめた。

 盗難仏像は朝鮮半島から伝来したとされ、韓国政府は「流出経路が不明」などと主張し、これまで返還要求に応じてこなかった。残る「観世音菩薩坐像」は、韓国の裁判所から返還を禁じる仮処分命令が出ているが、外務省は「仮処分は韓国の国内問題」として、これを理由にした引き延ばしは認めない方針だ。 

[時事通信社]

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