2015-07-15
2015上半期ラノベ周辺まとめ1 新レーベルの参入とキャラノベレーベルの動向
ライトノベルと一般文芸の中間に位置する「キャラノベ」「ライト文芸」「キャラクター文芸」は、今年に入って新レーベルが4つ創刊されました。
集英社のオレンジ文庫は、コバルト文庫(の一般文芸志向の作品、通称「25日枠」)の流れを汲むレーベルで、社会人女性を中心としたライトミステリ作品を刊行しています。作家陣には今野緒雪・村山早紀らが名を連ね、都内の巨大広告、TVCMなど大々的なプロモーションが行われました。『時をかける眼鏡』『風呂ソムリエ』などぶっ飛んだタイトルが目立つ女性層メインのレーベルではありますが、少女小説界の大御所・須賀しのぶの新作『雲は湧き、光あふれて』、ポスト友桐夏との呼び声高い『号泣』、デビュー作とは思えないほどの高い完成度と伏線回収が話題になった『螺旋時空のラビリンス』などマニアをも唸らせる作品が続出しており、濃いラノベ読みも注目すべきです。
昨年末に刊行が告知されていたMF文庫ダ・ヴィンチmewは、MF文庫ダヴィンチの派生レーベルで、「あした笑顔になれるお仕事エンタメ」をキャッチコピーとして女性向け恋愛小説を出しています。が、第二回配本から刊行が途絶えており、廃刊の可能性が浮上。
TLINEノベルスは、文庫ではなく新書判型でのレーベルです。ライト文芸というよりも、ラノベマニア向けの重厚な作品を多く取り揃えています。メディアワークス文庫・富士見L文庫よりも、星海社FICTIONSに近いレーベルといえるでしょう。しかし4月の第2回配本で廃刊となりました。
コスミック文庫αは、戦記ものや時代小説を刊行しているコスミック出版から放たれた女性向けキャラノベレーベル。『伝説の名探偵』『デパ地下グルメ探偵』などの女子向けラノベミステリを刊行するレーベルです。
看板タイトル『ビブリア古書堂の事件手帖』の完結が近づくメディアワークス文庫は、『神様の御用人』『お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂』が新たな看板作に。
富士見L文庫は、キャラノベの定番である「妖怪もの」「お店ミステリ」に加え、「異世界ロマンスファンタジー」を精力的に刊行。高い評価を得た『王女コクランと願いの悪魔』も続刊が刊行されました。さらにファンタジア大賞作品の乗り入れが開始され、銀賞受賞作である『女装王子の深遠にして優雅なたくらみ』がL文庫から出ました。
『響け!ユーフォニアム』が京アニよりアニメ化された宝島社文庫は、ユーフォニアム以外にも『JC科学捜査官 雛菊こまりと“くねくね”殺人事件』『なないろ金平糖 いろりの事件帖』『ドッグカフェ・ワンノアール 凛とシルビーの謎解き幽霊譚』などのライトミステリを積極的に刊行。宝島社文庫の新作がベストセラーとなった七月隆文の初期作『Astral』のリバイバルも決定しています。
『ハルチカ』『櫻子さん』のアニメ化が決定した角川文庫からも『ようするに、怪異ではない』『猫又お双と消えた令嬢』などライトミステリが多数登場。ソフトカバーではCノベで人気を博した多崎礼の新作が発表されました。
新潮文庫nexは円居挽の第3シリーズ『シャーロックノート』、法条遥×usiコンビでおくる『忘却のレーテ』を投入。看板タイトルの河野裕「階段島シリーズ」は大学読書人大賞を受賞する大躍進を見せました。
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