Updated: Tokyo  2015/07/15 21:21  |  New York  2015/07/15 08:21  |  London  2015/07/15 13:21
 

クルーグマン教授:米利上げ、どのタイミングでもまずい結果

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  (ブルームバーグ):ノーベル賞経済学賞受賞者、ポール・クルーグマン氏(プリンストン大学教授)は米金融当局が年内利上げに踏み切るべきか、あるいは来年以降に持ち越すべきなのかという議論について、二つの基本的論点を説明した。一つ目は米経済データにはまだ、年内利上げの必要性がみられないという論点。二つ目は連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げに踏み切ればそのタイミングにかかわらず誤った判断とみなされるのは必至であるため、早過ぎる利上げで回復の芽を摘んでしまうよりも、遅すぎる利上げで極めて低いインフレを受け入れる方が望ましいと述べた。

クルーグマン教授は13日のブルームバーグ・テレビジョンの番組で以下の通り発言した。

「今分かっているのは、インフレが依然として目標水準を下回っているということだ。そして過去8年の経験からもう一つ分かっているのは、金利がゼロにあり、そこに固定した状態では経済はなかなか立ちいかないということだ。FOMCが利上げを長く待ち過ぎれば、少しばかりのインフレが予想される。一方で、早過ぎる利上げ実施は新たな失われた10年を迎えるリスクを冒す。従って二つのリスクは極端に左右非対称だ。この状況でFOMCが利上げに意欲的なことは極めて不可解だ。どちらに転んでもまずい結果になるのは自明であり、分からないのはどちらの方向に転ぶかだ。しかし片方に転んだ場合の代償は、別の方向に転んだ場合より極めて高い」

同じくノーベル賞受賞者のエドマンド・フェルプス氏(コロンビア大学教授)は同番組でクルーグマン氏に反論し、FOMCの辛抱が強すぎる場合、経済への懸念が本当に深刻であるため低金利を維持しているのだと投資家は受け止めかねないと述べた。

原題:Paul Krugman: The Fed Is Going to Be Wrong When It Eventually Raises Rates(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Julie Verhage jverhage2@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Joe Weisenthal jweisenthal@bloomberg.net

更新日時: 2015/07/15 01:18 JST

 
 
 
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