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老後のお金クライシス! 深田晶恵

国主導の“じぶん年金”は、受け取り時の「税金」に気をつけろ!

深田晶恵
【第21回】 2015年7月15日
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個人型DCは「退職金のように受け取る」か
「年金のように受け取る」かで税制が異なる

 「投資の儲けの足を引っ張るのは“手数料と税金”」と言われる。効率的に運用益を手にするには、手数料が安く、非課税など税金のメリットのある商品を選ぶべきというのが投資の鉄則だ。

 前回、「国が旗を振る“じぶん年金作り”制度は利用価値があるか」というテーマで取り上げた「個人型DC(確定拠出年金)」は、民間の金融商品に比べ節税メリットが大きい制度であるため、老後資金作りをするなら最優先に検討したい。

 節税メリットは3つあると言われている。

 まず、掛金は全額所得控除の対象となり、その年の所得税と翌年の住民税が軽減される(節税メリット①)。貯蓄や投資をして税金が安くなるとは、うれしい制度だ。運用期間中に発生した収益は非課税になる特典もある(節税メリット②)。この2つは文句なしにメリットと言える。

 3つめとして「受取時にかかる税金にも節税の仕組みがある」と言われるが、私は受取時の税制は必ずしも節税メリットと言い切れないと思っている。将来、老後資金として受け取るときに「え~、こんなに税金かかるって聞いてない!」といった事態にならないように、課税の仕組みを知っておきたい。

 個人型DCの受け取り時の税金は、一時金で受け取るなら「退職所得」扱い、年金受取なら公的年金のように「公的年金等控除」が使える。問題点を知るには2つの課税の仕組みを知る必要があるので、ちょっと面倒に感じるかもしれないが、説明におつきあいいただきたい。

まずは「退職所得控除」と
「公的年金等控除」の仕組みを理解!

 退職金一時金にかかる税金は、勤続年数に応じた非課税枠が設けられている。最初の20年間は1年あたり40万円、21年目からは1年あたり70万円。これを積み上げた金額が退職所得控除で、みなし経費として退職金収入から差し引くことができる。これが退職所得。それに2分の1かけた金額に対し所得税と住民税がかかる仕組みだ。ケースで見てみよう。そのほうがわかりやすい。

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深田晶恵 

ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年北海道生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である「生活設計塾クルー」のメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じて「買い手寄り」のマネー情報を発信している。18年間で受けた相談は3500件以上。日本経済新聞、日経WOMAN、ダイヤモンド・オンライン等でマネーコラムを連載中。
主な著書に『30代で知っておきたいお金の習慣』『投資で失敗したくないと思ったらまず、読む本』(共にダイヤモンド社)、『共働き夫婦のための「お金の教科書」』『図解 老後のお金安心読本』(共に講談社)、『50代から始めるお金改革 定年後破産しないために今やるべき3つのこと』(すばる舎)他多数。


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「年金崩壊」「定年後破産」などの恐ろしい言葉が飛び交う少子高齢化の現代ニッポン。老後の生活を支えるお金について熟知しておくことは、もはや誰にとっても待ったなしだ。30代でも早すぎない、40代なら今まさに備えを始めたい、老後資金のあれこれを人気FPがわかりやすく指南する。

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