4人死亡火災、50万円罰金刑 鹿児島簡裁、失火罪に遺族憤慨 [鹿児島県]
鹿児島市谷山中央4丁目で昨年12月、2世帯4人が死亡したアパート火災で、失火と過失致死の罪に問われた無職浜屋敷和美被告(37)に、鹿児島簡裁は29日、「たばこの残り火の不始末と出火に因果関係が認められる」として、求刑通り罰金50万円の判決を言い渡した。
山本奉文裁判官は判決で「焼損が激しい場所は吸い殻を捨てたごみ箱の位置と一致し、出火原因はそれ以外に考えられない」と指摘。「少しの気遣いで防げたのに、4人死亡という重大な結果を招いた」と批判した。
判決によると、浜屋敷被告は昨年12月14日深夜から15日未明、アパート1階の自宅で、たばこの吸い殻をちり紙などが入ったごみ袋に捨てて残り火をカーテンなどに燃え移らせ、アパートなど2棟を全焼させた。この火災により、同居する母親の森山當子(ときこ)さん=当時(76)=と、真上の2階に住む店員高山雅子さん=同(46)、長女彩香さん=同(20)、次女夏希さん=同(15)=を焼死させた。
判決後、高山さんの遺族の男性(46)は「被告から何の謝罪もなく怒りで震えている」と憤った。失火罪に罰金刑しかないことについて「これから何百の人が亡くならないと法律は変わらないのか。悔しいのひと言」と語った。
=2015/06/29付 西日本新聞夕刊=