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 大阪府吹田市で5月にあったビッグバンドのコンテストの予選直前に愛知学院大(愛知県日進市)の学生が楽器を盗まれた事件で、府警は14日、住所不定の無職、日根真一(44)と大阪府東大阪市の塗装工、浅沢裕之(43)の両容疑者=ともに別の窃盗罪で起訴=を窃盗容疑で追送検し、発表した。楽器は売却先の楽器店が盗品と気づいて府警に連絡するなどし、すべて学生の元に戻った。

 淀川署によると、2人は5月9日、学生らが大阪市淀川区の宿泊先近くに止めた車からトランペットなど7点(241万円相当)を盗んだ疑いがある。「売ろうと思った」などと供述しているという。

 事件の1週間後、兵庫県の楽器店に男が楽器3点を持ち込み、計約40万円で売却。その後、被害に遭った楽器のシリアル番号を書いた学生のツイッターを店主が読み、「盗品と知らずに買った」と署に連絡した。

 店の防犯カメラ映像などから、府内で起きた別の自動車盗事件で逮捕した日根容疑者らが浮上。署は同容疑者の車から残る楽器4点を発見した。

 学生バンドは他の参加団体に楽器を借りて予選を通過した。部長の石川歩(あゆみ)さん(21)は「本当によかった。8月の本選では感謝の気持ちを込めて演奏します」と話した。