増谷文生
2015年7月15日08時52分
議論は深まったのか。憲法はないがしろにされていないか――。与党が衆院特別委員会で採決に踏み切る構えを見せる安全保障関連法案をめぐり、市民はさまざまな立場で向き合い、考え、メッセージを発しようとしている。
■戦争知る世代、時事問題うたう
世界一 平和も魅力 おいでやす
隊員の 命を軽く 見積もるな
大阪市中央区にあるビルの一室で10日、川柳を詠み上げる声が響いた。室内には70年前に終わった戦争を知る世代も含む55人。時事問題を詠む「時事吟」のお題には、安保法案にかかわる句が大半を占めた。
違憲法 若者たちを めざめさす
対案は 9条ですよ 安倍総理
句のなかには、衆院憲法審査会で与党推薦を含む3人の憲法学者が法案を「憲法9条に反している」と指摘してもなお、今国会での成立をめざす安倍政権への皮肉も。こうした強引ともとれる政治に対し、反対や抗議の声を上げ始めた各地の若者へのエールのような作品もあった。
そして参加したお年寄りの多くが抱くのが、日本が再び戦争をする国になり、子どもたちが戦地に赴くことになるのではないか、という懸念だ。
兵隊の 姿の孫は 見たくない
残り:1180文字/本文:1673文字
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