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【東京】

砂川闘争60年 米大日本校の准教授と学生 現地訪れ証言聞く

旧米軍立川基地跡を訪れ、長谷さん(左)らから話を聞くトンプキンズ准教授(中央)ら=立川市で

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 旧米軍立川基地の拡張をめぐる「砂川闘争」が始まって六十年を迎える今年、あらためて闘争以降の歴史を振り返ろうと、米レイクランド大学日本校(新宿区)のアダム・トンプキンズ准教授(40)=歴史学=と学生二人が十三日、現地を訪れた。関係者らから当時の様子を聞いて闘争の意義を考えた。 (萩原誠)

 この日訪れたのは、トンプキンズ准教授のほか、学生の小林真惟さん(22)、新井田迪可(にいだみちか)さん(20)。当時、砂川町基地拡張反対支援労組協議会の副議長を務めた長谷(ながたに)緑也さん(90)と、市民団体「砂川を記録する会」代表の星紀市さん(71)が案内した。

 三人は、砂川闘争に関する資料が展示されている砂川学習館を見学。長谷さんらが闘争の経緯を話し「闘争当初、『無抵抗の抵抗』として基地拡張に反対した地元の人たちや学生らは武装していなかった。先祖から引き継いだ農村が崩壊しないよう農地を守るという素朴な抵抗だった」などと説明した。その後、かつての米軍立川基地と拡張予定地跡を見学した。

 トンプキンズ准教授らは今後、砂川闘争から昭和記念公園ができるまでの経緯をリポートにまとめるなどするという。小林さんは「集団的自衛権行使容認の論拠として砂川事件の伊達判決が話題になっており、あらためてしっかり勉強したい」、新井田さんは「基地拡張反対に向けて地域の団結力に感動した」、トンプキンズ准教授は「地域の人たちがメーンで戦い、滑走路の拡張を阻止し、最終的には米軍から基地を取り戻した様子がわかった。土地を守るという純粋な地域の思いに感銘を受けた」と話した。

 

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