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 改正臓器移植法の施行から5年間で、18歳未満の子ども97人の臓器提供が検討され、83人が提供に至らなかったことが14日、日本臓器移植ネットワークのまとめで分かった。そのうち17人は病院側の事情で提供に至らなかった。

 15歳未満の脳死の子どもからの臓器提供が可能となって17日で5年になるのにあわせ、移植ネットが医療機関とのやりとりをまとめ、発表した。

 施行から今年3月末までに、頭部のけがなどで回復困難となった18歳未満の97人で、臓器提供について病院側から移植ネットに相談があった。脳死判定後の9人、心臓の停止後の5人で臓器提供に至った。

 提供に至らなかった83人のうち12人は、家族が病院側に臓器提供を申し出たが、「施設の体制整備がまだ」との理由で提供が見送られた。また5人は、病院側が臓器提供の選択肢を示したにもかかわらず、結果として施設側の不備で提供に至らなかった。