An Israeli of Ethiopian descent shouts at a police officer during a protest in Tel Aviv, Israel in this May 3, 2015 file photo. Images of Israeli police firing stun grenades are usually set in the West Bank and involve Palestinian protesters. But on Sunday the situation was quite different - riot police battling thousands of Ethiopian Jews in the centre of Tel Aviv.The spark was a week old video showing two Israeli policemen punching, beating and trying to arrest an Israeli soldier of Ethiopian descent in what appeared to be an unprovoked attack. REUTERS/Baz Ratner/Files

「我々もユダヤ人だ!」エチオピア系住民の怒りが爆発した!

イスラエルには現在、約13万5000人のエチオピア系ユダヤ人が暮らしている。彼らは、古代イスラエル王国が分裂したときにアフリカに移住した人々の末裔だと言われていて、「ベタ・イスラエル」と呼ばれる。

ベタ・イスラエルたちは、キリスト教徒が多いエチオピアで長年、異教徒として迫害されてきた。そんな彼らを救おうと、イスラエル政府は80~90年代に、約2万2000人をチャーター便で移住させる作戦を決行した。

だが、アフリカ系そのものの外見で、ヘブライ語を解さない彼らはイスラエルでも差別の対象だ。兵役はあるが教育や就業の面で冷遇されるため、ベタ・イスラエルの多くはスラムに暮らし、失業率は45%に上る。

そんな状況が続くなか、この4月に彼らの不満がついに爆発した。ベタ・イスラエルの若者が理由もなく警官から暴行を受けた事件をきっかけに、大規模なデモが勃発。デモ隊と警察の衝突が繰り返される様子は、パレスチナ人の抗議活動「インティファーダ」のようだった。

この事態に驚いた政府は、差別を撤廃する方針を発表したが、デモはまだ鎮静化する様子を見せない。ベタ・イスラエルのあるジャーナリストは、この状況を次のように分析する。

「我々は長い間苦しんできました。この“黒いインティファーダ”は、怒りの深さを物語っているのです」

フィガロ(フランス)より
PHOTO:BAZ RATNER / REUTERS / AFLO

COURRiER Japon Vol.129 21世紀の「ホワイト企業」