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今さら人に聞けない、写真再入門 Vol.3 自分にとって相性の良いカメラとは? 本城直季に聞く写真表現と技術
- 文:内田伸一
- 撮影:田中一人
- (2015/07/14)
19世紀前半にヨーロッパで「写真」が産声をあげた当初、それは「見たまま」を写し取る驚きのテクノロジーとして、人々に迎えられたと想像できます。しかし、その歴史の初期からすでに、写真は「記録」を超えて個性あふれる「表現」を生み出していきました。そして新表現が生まれるそばには、常にそれらを誘発させた技術や技法の進化もありました。
そこで今回は、通称「シノゴ」と呼ばれる大判カメラを駆使して、風景をミニチュアのようにとらえた代表的シリーズ「Small Planet」などで知られる写真家の本城直季さんをゲストに迎え、写真における「表現」の側面に迫ります。
指南役は、東京都写真美術館で近代写真史を専門にする藤村里美学芸員。さらに、ワークショップなど教育普及を担当する武内厚子学芸員と、古典技法である「青写真」にも挑戦します!
本城直季(ほんじょう なおき)
1978年、東京都出身。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業、同大学院芸術研究科メディアアート修了。実在の風景を独特のジオラマ写真のように撮影した写真集『small planet』で2006年度『木村伊兵衛写真賞』を受賞し、一躍注目を集める。メトロポリタン美術館、ヒューストン美術館に作品が所蔵されているだけでなく、雑誌や広告など幅広い分野で活躍している。
本城直季 NAOKI HONJO
代表作「Small Planet」シリーズを生んだのは、自分と相性のいいカメラ
写真におけるテクノロジーと表現の関係とは? 大上段のテーマを掲げたものの、発明以来180年近い写真の歴史のどこから始めればよいのか、まさに「今さら聞けない」のが悩みどころ。そこで今回はまず、多くの人が「あの写真、どうやって撮るの?」と思う作品について聞くことから考えてみました。
見慣れた街から異国のランドスケープまで、世界中の風景をまるでミニチュアのように撮影する本城直季さん。最近では、デジタルカメラやスマートフォンでも、こうした雰囲気の写真が手軽に撮れる機能がありますが、もともとは本城さんも愛用する「大判カメラ(4×5インチ以上のシートフィルムを1枚ごと入れ替えて撮影するカメラ)」ならではの特性から生まれた技法のようです。本城さんは、どんな経緯でこのカメラに出会ったのでしょう?
本城直季『Small Planet』シリーズより
本城:今使っている大判カメラに最初にふれたのは、大学生時代です。ホンマタカシさんやアンドレアス・グルスキー(現代写真を代表するドイツ人作家)など、好きな写真家がこうしたカメラを使っていると知ったこともきっかけになりました。学校に4×5インチ(シノゴ)の大判カメラ「トヨフィールド」があり、これを借りて撮り始めたんです。
本城直季が使用する4×5インチ(シノゴ)の大判カメラ「トヨフィールド」
ただ、最初はシノゴでどんな写真が撮れるのか、使い方もわからないまま試行錯誤が続いたとか。その日々から、やがて夜の住宅街を映画のセットのようにとらえた「LIGHT HOUSE」や、代表作となる「Small Planet」シリーズが生まれます。今回、指南役を務めてくれる東京都写真美術館学芸員の藤村里美さんは、やはりそこに使用カメラとの関係を指摘します。
藤村:どちらも大判カメラ特有の「あおり」操作で、対照的な効果を生み出していますね。あおりとは、こうした大判カメラについている蛇腹を操り、レンズとフィルムの距離や角度を変える操作。ピントの合う範囲や、被写体のゆがみを調整することができます。「LIGHT HOUSE」では、この操作を用いて、暗がりの風景を隅々までピントを合わせてシャープに写し取り、不思議な雰囲気を出している。対して「Small Planet」は「逆あおり」で、ピントの合う範囲を極端に狭くすることで、周りの景色がぼけ、ミニチュアのような風景が生まれています。
本城直季「LIGHT HOUSE」シリーズ
なるほど、「Small Planet」シリーズの作品をじっくり見ると、写真の上下は大きくボケている一方、それらに挟まれる中央部分はピントがくっきり。これがミニチュア風景を接写したようなイメージを見る者に与えるのでしょう。「逆あおり」によるこの効果は、大判カメラの機能を想定外の方法で用いた試みともいえそうです。この技法を利用した写真を撮る人も世界各地にいて、モチーフも風景、乗り物、さらにスポーツまでさまざま。
本城:僕は最初、このカメラについてとにかく無知で(苦笑)、ノーマルなセッティングもよくわかっていませんでした。「Small Planet」も街中でいろいろ試すうちに、ああいう写真が撮れるようになった。そのうち、橋や展望台など、風景を俯瞰できるアングルだと効果が出やすいのもわかってきて……という感じです。
ちなみに、大判カメラの特性を探った時期は、さぞ撮りまくったのではと思いきや、実際はさにあらず。1枚ずつフィルムをセットしなければならない大判カメラに、そうした撮り方はあまり向いていないこともありますが、とにかく何枚も撮る、というスタイルがもともと自分向きでなかったと言います。
本城:当時、フィルムでも撮りまくる同級生は結構いて、「みんなはこんなに撮ってるんだ」と驚きました。でも僕はそういうのは得意じゃないようで、また中判カメラの小さなファインダーから覗いた街の写真では、「コレだ!」という感じがつかめませんでした。大判カメラはその点でも、背面の大きなピントグラスを通してじっくり対象に向き合う感じ。自分と相性のいい大判カメラに出会えたことが、本当によかったと思っています。
藤村:そこは、いきなりデジカメから入る世代とも違う感覚があるんでしょうね。本城さんは、写真がフィルム主流だった時代からデジカメが台頭してくる、ちょうど狭間の世代ですよね。大判カメラはそんな本城さんからすると古い時代のカメラとも言えるし、持ち運びやセッティングの難しさからすれば制約もあるかもしれない。ただ、何よりも自分の写真に合った機材として選んだ、ということですね、きっと。
本城さんからは、カメラと撮り手の「相性」という言葉がありましたが、写真の歴史を見れば、カメラやフィルムの機能・性能が進化するにつれ、撮り手の表現自体も変化・多様化してきたことがわかります。
藤村:たとえば被写体が数十秒じっとしていないと撮れないカメラの時代に、激しい動きはとらえられませんよね。また、撮ったらすぐに現像の必要がある「湿板写真」の時代を経て、やがてフィルム現像とプリントを切り離して扱えるようになると、カメラの活動範囲や利用者も広がり、結果、被写体も多様になっていきます。望遠、広角などレンズの開発や、ストロボ写真、連続写真などの新技術も、それぞれに伴う新表現を誘発していく。目に見えているものがそのまま写るだけではない、という写真の本質は、こうした歴史を見渡すなかでも感じ取れることです。
内田伸一
1971年生まれ。ライター、編集者。『キャプテン翼』命なのに卓球部の中学生、The Clashに心酔するも事なかれ主義の高校生、心理学専攻のモラトリアム大学生として成長し、初対面が苦手な編集者として『A』、『Dazed & Confused Japan』、『REALTOKYO』、『ART iT』などに参加。矛盾こそが人生哉。
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