【動画】東九州自動車道用地、みかん畑の行政代執行=河合真人撮影
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 福岡県は14日、同県豊前市のミカン園の一部の畑を強制収用する行政代執行を行った。東九州自動車道の事業用地として、県や西日本高速道路(ネクスコ西日本)が明け渡しを求めていたが、「工事で地下水脈が分断されると、栽培が続けられなくなる」とするミカン園主の岡本栄一さん(69)が応じていなかった。

 今年3月、大分市から宮崎市までつながった東九州自動車道は、北九州市から宮崎市までの約320キロのうち、岡本さん所有のミカン園がある椎田南(福岡県築上町)―豊前(同県豊前市)間の7・2キロだけが未開通区間。強制収用を受け、ネクスコ西日本は来春の開通目標に向けて建設作業を進める方針だ。

 この日、強制収用の対象となったのはミカン園(約12ヘクタール)のうち約1・4ヘクタールの畑部分。午前6時56分から、県やネクスコ西日本の関係者約200人が作業に着手。ベニヤ板のバリケードを撤去した後、チェーンソーでミカンの木を伐採、重機2台で土地を掘り起こした。岡本さんはミカン園中腹の資材小屋の中にいたが、午前11時、数人の職員に抱きかかえられて強制退去させられた。作業は午後5時半に終了した。

 強制収用した畑とは別に、農業用倉庫の土地約0・2ヘクタールが残っている。県収用委員会が明け渡しを命じた22日までに岡本さんが応じなかった場合、県は改めて強制収用する見通し。

 東九州自動車道は、新幹線などが通る西九州に比べて交通体系の整備が遅れているとして東九州の自治体などが整備を熱望。国とネクスコ西日本が区間ごとに整備を進めている。

 土地の強制収用を巡る行政代執行は、東九州自動車道では大分県が昨年行った。福岡県では2007年に河川改修工事に伴って実施して以来という。(小浦雅和、倉富竜太)