特定秘密:保有総数は18万9193点 初の国会報告

毎日新聞 2015年06月22日 23時11分

 ◇半数は情報収集衛星の画像か

 22日に閣議決定された特定秘密に関する国会報告によると、各行政機関が2014年12月10日から22日間に指定した特定秘密の件数は382件だが、保有文書の総数は18万9193点に上る。これは、同じ指定秘密を複数の機関がコピーなどして保有しているからだ。文書の詳細は明らかになっていないが、半数以上は情報収集衛星の画像とみられる。

 情報収集衛星の画像は内閣官房が所管する内閣衛星情報センターが保管している。衛星画像は秘密指定としては1件とされるが、撮影時間や場所によって別の文書として扱われる。このため、内閣官房の指定件数は49件と防衛省(247件)の5分の1だが、保有文書数では5万5829点と防衛省(6万173点)に次いで多かった。

 衛星による画像の利用範囲は広い。内閣官房の他に防衛省や海上保安庁、警察庁、公安調査庁、外務省、経済産業省の6機関で「内閣衛星情報センターの収集分析対象」に関する指定があり、膨大な画像が共有されているとみられる。

 また、画像以外にも「撮影可能な地理的範囲に関する情報」(7件)「情報収集衛星及び地上システムに用いられる暗号に関する情報」(23件)などがあり、情報収集衛星の関連情報だけで秘密指定は85件ある。【松本晃】

最新写真特集