2015-07-14 ハードコア音楽のマーケティングについて
■ハードコア音楽のマーケティング-準備編
【テーマ】
「潜在的なリスナーに対して自分のバンドをどのように認知してもらうか」
オールドスクールハードコア、ハードコアパンクを好み、新しいバンドを常に探している耳の早いリスナー。
【リスナーの行動】
現行でまだ知らないかっこいいバンドを探す時にどのような手法を使うか考えました。
一昔前の日本ですと、CD屋の視聴で探すという手法が多かったと思いますが、
大手のレコードショップでマイナーなアーティストを展開していることは少なく、
ましてや海外ではそのような実店舗自体が縮小傾向にあると聞いています。
最近はbandcampやYou Tube等のインターネットで探すことが主流になっているんじゃないかと思います。
よって、"インターネットを使って新しいバンドを検索する際に、発見されること"
【手法】
今回のテストでは上記のリスナー行動を考えた結果、You Tube内でGoogle Adwordsを活用するという手法を選びました。
※Google Adwordsとは:http://e-words.jp/w/AdWords.html
(Googleで検索した時に一番上に出てくる広告ページや、You Tubeを見たときに動画の最初に流れるCMですね。)
Adwordsには優れているポイントは多くあるのですが、特筆すべき点として、
動画にアクセスする人の年齢、国籍、アクセス端末、アクセス経路等々の分析ができます。
【実験素材】
筆者のバンド"FOR LIFE"のライブ動画(フルセットで10分強)を使用しました。
https://www.youtube.com/watch?v=cTbQlo26VD0
【実践】
こちらのプロモーションを仕込む際に最も重要になるのは、"検索ワード"です。
特定の言葉で検索した人に対して動画を紹介するので、潜在リスナーが検索しそうな言葉を選択する必要がありますね。
一般的によく検索される言葉を選択すると、コストも高くなるのですが、ハードコアパンクで検索するような言葉ではそんな心配は無用です(笑)
今回は10以上のキーワードを登録したので全ては書きませんが、例えば、、
「Old school harcore band」や「Have Heart」、「In my eyes」などなどでセットしました。
あとは実際クリックしてもらい、興味を持ってもらった際に誘導できるリンクを準備することも忘れずに。
今回のケースですと、動画の説明文にFacebookサイトと、bandcampフリーダウンロードリンクをつけました。
こんな感じですね↓
Bandcamp: https://forlifehc.bandcamp.com/
(You can download "Demo 2012" for free")
facebook: https://www.facebook.com/forlife2011jp
Twitter: https://twitter.com/forlife__
【結果】
■ハードコア音楽のマーケティング-結果編
【準備編のサマリー】
「潜在的なリスナーに対して自分のバンドをどのように認知してもらうか」を目的にし、
Google AdwordsをYou Tube内で活用する方法を選択しました。
【結果のサマリー】
結果としては、ある程度狙った効果があり、有効な手法として活用できる感触をつかみました。
狙いとしていた海外のリスナーに届けることができたのが収穫でした。
以下で詳細に結果を説明します。
アップロードから1年間で750再生程度だった動画ですが、1週間で1000以上の再生がありました。
【結果-プロモーション全体】
1000以上の再生がありましたが、使用した金額は6000円程度です。
今回はテストのため予算に上限をかけましたが、予算を広げればもっともっと再生数は稼げます。
おそらく1クリック10円以内で納められるので、予算を決める参考にしてみては如何でしょうか。
その中で約5%の1000人が30秒以上再生したという結果ですね。
(※ちなみにYou Tubeの広告は30秒以上再生されない限り課金はされません。)
驚くべきポイントは、初見にも関わらず、20%以上の人が動画を3分以上再生しています。
更に3%(30人程度)ではありますが動画を最後まで見ているんですね。
フルセットのライブ動画を最後まで再生することは、自分は好きなバンドでもあまりないので驚きです。
10以上のキーワードを入れたのですが、結果的にほぼ上位2つのワードから来ていました。
"Hardcore punk"と"Have heart"で90%以上を占めています。ここは次回への反省ポイントですね。
一般的に"Hardcore punk"のような、広い言葉でターゲットを絞ると、再生率が下がる傾向にあるのですが、
"Hardcore punk"で検索した人の10%はそのまま視聴しているので、意外なところでした。
次回はある程度知名度のあるバンド名で検索ワードを増やしてみようと思います。
プロモーション実施時は、日本の視聴はほぼ無く、女性が30%程度入り、10代が最大の構成比を持っていますね。
このポイントが一番大きくて、アンダーグランドな音楽でリスナーを増やしていくためには、
その人たちにある程度リーチできることが今回の取り組みで証明されました。
余談ですが、少数ですが視聴がある国を載せておきます。
ハードコアが盛んと聞いていた東南アジアやアメリカは納得ですが、
【結果-視聴デバイス】
こと音楽を探すという場面ではまだまだPCが主力のようですね。
【まとめ】
今回のテストで、潜在的なリスナーに対して自分のバンドを認知してもらう手法として、
Google Adwordsがある程度効果を発揮することは証明されました。
海外のこれまで接触できなかったリスナーへも届けることができました。
一方で、ターゲットする検索ワードの選び方には、まだ改善の機会はありそうです。
そして今回使った映像素材は決してクオリティの高くないライブ映像ですし、
彼らが自分たちの音源を買うという状況にどのように繋げるのかも考える必要がありそうです。
動画を見た人にデジタル音源の割引をプレゼントするなんてできたら面白いかもしれませんね。
まだまだ課題はありますが、ある程度の効果は実感できたので今後継続的に改善をしながら使用してみたいと思いました。
なお、こちらの記事で使用したグラフは、You Tubeの"アナリティクス"という機能で使用できるものです。