新国立競技場の総工費が2520億円に膨れあがった問題で、費用高騰の要因とされるザハ・ハディド氏のデザインが民主党政権時代に決まったことを、政府幹部が指摘し始めている。
これについて、同党の蓮舫参院議員が14日の参院委員会で、下村博文文科相に「その指摘は適切なのか」と、かみついた。安倍晋三首相が招致活動で、新競技場のデザインの斬新性をアピールしていたことも指摘した。
これに対し、下村氏は「民主党時代に決まったデザインの責任だとは一言も言っていない。事実関係を申し上げただけだ」と、そっけなく答えた。
10日の衆院特別委員会では、安倍首相が「(ザハ案は)民主党政権時代に決まった」と指摘。麻生太郎財務相も会見で「建設費用は民主党政権で決められた話。政権交代で渡され、我々は額も知らされていなかった」と、発言していた。
下村氏も会見で「(当初の総工費の)1300億円がどの程度デザインをする人に伝わっていたのか。値段とデザインを別々にしていたとしたらずさんだと思う」と言及。「責任逃れ」のような発言が政権内から出ていることに、蓮舫氏がくぎを刺した格好だ。
ザハ氏のデザインが決まったのは、2012年11月15日。翌16日に野田佳彦首相(当時)が衆院を解散、約1カ月後、民主党は政権を失っている。