児童ポルノの単純所持、15日から罰則規定施行 “需要”絶ち子供を保護
改正児童買春・児童ポルノ禁止法で定める児童ポルノ単純所持への罰則規定が15日から施行される。性的な興味から児童ポルノを持っているだけで処罰対象となることから、児童ポルノの“需要”を絶ち、児童の保護につながる効果が期待されている。政府はホームページなどで国民に児童ポルノ根絶への理解を求めている。
昨年6月に成立した改正法では、先進7カ国で唯一日本だけが設けていなかった児童ポルノの単純所持罪が盛り込まれた。児童ポルノがインターネットなどで拡散し、被写体となった児童が長年にわたり苦しむのを防ぐため、供給側だけでなく需要側も取り締まる。罰則は1年以下の懲役か100万円以下の罰金で、処分するために1年間の猶予期間を置いた。
警察庁によると、児童ポルノ事件の被害児童数は2年連続で増えており、昨年は746人と過去最多を記録。摘発件数も1828件で過去最多だ。13歳未満の被害児童の約7割が強姦や強制わいせつにより撮影されているという。捜査関係者は「性犯罪の捜査の過程で押収した児童ポルノに法の網を掛けられる。愛好家を取り締まる手段が増えた」と単純所持の罰則規定の意義を強調する。