三菱重工業が上告=元挺身隊女性の損賠訴訟

 日本による植民地時代末期、勤労挺身(ていしん)隊として強制動員された韓国人女性たちが損害賠償を求めた訴訟の控訴審で敗訴した三菱重工業が上告した。

 光州高裁は13日、三菱重工業側が元挺身隊の女性たちによる損害賠償請求訴訟の控訴審の判決を不服とし、大法院(日本の最高裁判所に相当)に上告したと発表した。

 同高裁民事2部は先月24日、ヤン・グムドクさん(84)など5人が三菱重工業を相手取って損害賠償を求めた訴訟で、原告の訴えを一部認める判決を言い渡した。

 三菱重工業はヤンさんなど生存者3人に1億2000万ウォン(約1300万円)ずつ、死亡した元挺身隊の女性に代わって提訴した原告に1億208万ウォン(約1107億円)、別の原告には1億ウォン(約1085億円)を賠償するよう命じられた。

 高裁は「三菱重工業は侵略戦争を遂行しようとした過去の日本国(国家)に積極的に協力し、綿密な計画の下で欺瞞(ぎまん)や脅迫などにより動員された原告たちを強制労働に従事させた」と判決理由を述べた。

 ヤンさんたちは太平洋戦争末期の1944年5月ごろ「日本に行けば金も稼げるし、いい学校にも行かせてやる」という日本人の校長らの懐柔により、小学6年生で学業を中断し、三菱重工業の名古屋航空機製作所に動員された。

 だが、賃金は全く支払われないまま重労働を強いられ、日本の植民地支配からの解放後には旧日本軍の慰安婦と誤解され、苦難に満ちた日々を過ごした。

 1999年3月1日には日本政府と三菱重工業を相手取り、名古屋地裁に損害賠償請求訴訟を起こしたが、一・二審で敗訴し、2008年11月11日には最高裁判所でも上告を棄却された。

 その後、2012年5月24日に大法院が、日本による強制動員の被害者による損害賠償請求訴訟で賠償を命じる判決を下した。

 これを受けヤンさんたちは同年10月、光州地裁に提訴し、13年11月に一審で勝訴したのに続き、控訴審でもうれし涙を流した。

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