【日本アマ】金谷、最年少17歳51日Vで涙 夢の海外メジャー制覇目指す

2015年7月14日6時0分  スポーツ報知
  • 豪快なティーショットを放つ金谷拓実
  • 日本アマチュアゴルフ選手権で最年少優勝を果たし、カップを手に笑顔の金谷

 ◆ゴルフ 日本アマチュア選手権最終日(13日、兵庫・広野GC=7169ヤード、パー72)

 決勝戦が36ホールのマッチプレーで争われ、金谷拓実(17)=広島国際学院高2年=が10アンド9で中島啓太(15)=大利根中3年=に圧勝。第100回の記念大会で17歳51日の大会最年少優勝を果たし、日本オープン(10月16~19日、兵庫・六甲国際GC)の出場権を獲得した。昨年、国内女子ツアーの最年少V記録を樹立した勝みなみ(17)=鹿児島高2年=と同学年の新鋭は、海外メジャー制覇の夢を明かした。

 27ホール目。金谷は5メートルのバーディーパットを沈め、6日間の戦いに終止符を打った。2004年の李東桓(韓国)よりも41日早い、17歳51日の史上最年少でアマ日本一の称号を獲得。「自分が日本アマを取れるなんて…。信じられない」と感激で声を震わせた。

 秒速11・4メートルの強風をものともせず、安定したスイング、正確なパットで100回目となる節目の伝統大会を制した。武器はパットだ。2アップで迎えた10ホール目のパー5。先に8メートルバーディーパットを沈め、第3打を2メートルにつけた中島のミスを誘った。その後も崩れていく相手とは対照的にギアを上げ、前半だけで8アップとすると、折り返しの19ホール目のパー5でイーグルを奪って勝負あり。最終的に鍋島直泰が制した1935年大会の12アンド11に次ぐ、決勝2番目の大差勝ちを演じた。

 「つまようじパター」の特訓が効いた。フェース面につまようじ2本を垂直に2センチ間隔で付けて打つトレーニング。「ボールがつまようじに当たらないように打つんです。中学1年から毎日1時間やってます。芯で打てるようになりますよ」。予選を3位通過、決勝トーナメントはすべて3ホール以上を残しての勝利と、成果を見せつけた。

 今春の全国高校選手権Vで開花。中1春、中3夏、高1夏と全国大会は2位ばかり。「勝ってからは調子が悪くてもいい位置にいられるようになったし、あの優勝が自信になっています」。今年最大の目標、日本オープン切符も手にし、誇らしげにトロフィーを掲げた。

 昨年15歳で国内ツアー最年少Vの女子、勝みなみ(17)=鹿児島高2年=は同学年。8月の日本ジュニアも優勝すれば、勝に並ぶ日本アマ2冠。12日に閉幕した全米女子オープンで最年少出場した14歳・山口すず夏(神奈川・鵜野森中3年)の新星も誕生し百花繚乱(りょうらん)状態。陰に隠れる男子アマだが、昨年大会を17歳115日で日本人最年少優勝した小木曽喬(当時福井工大福井高3年)など活躍。金谷も「女子はすごい選手ばかり。負けてられない」と“花より男子”の意地を見せた。

 現時点で高校卒業後は進学希望。将来の夢は世界最高峰の米ツアー挑戦だ。「日本人が勝っていない(海外)メジャー大会で優勝したい。五輪にも出たい」と5年後の東京五輪も視野に入れた。松山英樹、石川遼も取れなかった「アマ日本一」の称号をつかんだホープに期待だ。(吉村 達)

 ◆マッチプレー 打数の合計で争う通常のストロークプレーと異なり、1ホールごとに勝敗を競い、少ない打数の選手がそのホールの勝ち(アップ)となる(負けはダウン)。「5アンド4」とは4ホールを残して5アップ、の意味。

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