タイム・イズ・マネー。
デキるビジネスパーソンは常に時間と競い、より効率的なモノを求めている。「24時間戦えますか?」の精神は、21世紀でも健在だ。中でも、食事をいかに手軽に、かつスピーディーに行えるかが重要なポイントとなる。そこでオススメしたいのが、他人にバレることなくビジネスシーンに"食事"を取り入れる『カモフラ飯』である。
本企画では、自称・日本一インターネットで顔写真が使われているフリー素材モデルの大川竜弥氏が、デキるビジネスパーソンであれば誰しも取り入れたくなる『カモフラ飯』をご紹介する。
スーツの袖口で『カモフラ飯』
今回紹介する『カモフラ飯』は、スーツの袖口を使用した食事だ。
デキるビジネスパーソンは24時間体を酷使しているため、定期的に空腹を満たさないと「オラ、腹減って力がでねぇ」状態になってしまう。
まずは、こちらの写真をご覧いただきたい。
一見、丸の内にいるようなデキるビジネスパーソンだが……
腕に注目してほしい。
のり巻きだ。スーツの袖口がのり巻きになっている。
森の中の迷彩服や、擬態を得意とする生物にも負けていない。袖口界のプレデターといっても過言ではないだろう。
これぞカモフラ飯の真骨頂である。
袖口のり巻きを作る
からくりを紹介しよう。
用意するのは、のり、米、具材と、各種調理器具。給料日後なので、贅沢にイクラを追加してみた。
まずは、米を炊飯器の内釜に入れる。
のり巻きを作る途中で米が足りなくなると、袖が短くなってしまう。一般的な体型の成人男性であれば、2合で十分だろう。
米を研いで水を入れたら……
炊飯器をスイッチオン。繰り返すが、デキるビジネスパーソンはより効率的なモノを求めている。迷わず早炊きを選択しよう。
米が炊けるまでの間に、具材をカット。長くなるので具材をカットするシーンは省略した。カットだけに。
米が炊けたらスーツに着替えて、袖口のり巻きを作る。
袖口をひじ下まで内側に折り込み、
腕にサランラップを巻いていく。
米の付着を防ぐだけではなく、汗をかくので部分痩せが期待できる。デキるビジネスパーソンは一石二鳥を好むのだ。
のりの上に米を敷き詰めて……
カットした具材をのせる。
欲張って具材をのせすぎるとのり巻きが太くなり、上腕二頭筋だけ発達したテニス選手のようになってしまう。ほどほどにしておくように。
具材をのせたのりと、米のみをのせたのり2枚を腕に巻けば完成。
ひとつだけ注意点がある。スーツを着る前に腕にのりを巻くと、袖が通らない。片腕だけバッファローマンのようになってしまうのだ。
袖口のり巻きならいつでもどこでも空腹を満たせる
ビジネス街に繰り出してみた。
全く違和感がない。どこからどう見ても、クライアントに電話をしているデキるビジネスパーソンである。
しかし、目を凝らすと袖口がのり巻きになっている。チラリと顔をのぞかせるキュウリがカフスボタンっぽい。
ハードワークで空腹を感じたら、袖口のり巻きを食べれば歩きながら食事ができる。
美味しい。具材が入っていない部分だけど。
デキるビジネスパーソンのランチスポットといえば、パーク(公園)だ。
袖口のり巻きなら、すべり台で遊びながらパクパク食事ができる。
空腹を満たしたことで、体が再び動きだした。オフィスに戻って、大手広告代理店に提案する企画書を作ろう。
誰も袖口のり巻きに気づかない。米の量を気持ち多目にして、ワイシャツ感を演出したのが功を奏したようだ。
進行中のプロジェクトについて、部下から質問を受けた。上司の袖口がのり巻きになっているだなんて、夢にも思わないだろう。
「大川さん、なんか磯臭くないですか?」と言われたので、「オレ、横浜出身だから」とごまかした。長時間オフィスに滞在するデキるビジネスパーソンは、ニオイ対策も忘れないように。
オフィスで空腹を感じたら、こうすればいい。
周囲を確認して、スピーディーに袖口のり巻きを食べる。袖先から食べれば、不審に思われることはない。なぜなら、ある程度食べても短い袖にしか見えないからである。
最後に、ひとつだけ伝えたいことがある。今回紹介した『カモフラ飯』はのり巻きを作るのに約1時間要するだけではなく、ひとりでは腕に巻くことができない。
あなたが真のビジネスパーソンであれば、空腹を満たすためにそれほどの時間と労力を投資するような選択肢は選ばないだろう。現代には、コンビニという便利なオアシスがあることもお伝えしておく。
書いた人:大川竜弥
1982年生まれ。アパレル販売員、Web開発会社、ライブハウス店長、ザ・グレート・サスケ氏のマネージャーなどさまざまな職を経て、現在は"自称・日本一インターネットで顔写真が使われているフリー素材モデル"として活動している。