年金情報流出:誤った説明原因の大半は入力漏れ

毎日新聞 2015年07月13日 23時04分(最終更新 07月13日 23時09分)

 日本年金機構は13日、個人情報流出の該当者かどうかを識別するシステムに、約8万6000人分の入力漏れがあったと発表した。実際には情報が流出していたのに、2449人に「流出していない」と誤った説明をした原因の大半は入力漏れという。

 システムには情報流出者の基礎年金番号を入力。専用電話窓口や年金事務所に情報流出を照会した人に基礎年金番号を言ってもらい、流出該当者であれば職員のパソコン画面上に警告が出る仕組みだった。

 機構によると、情報流出者の基礎年金番号を複写したDVDを委託業者に渡し、業者が入力したが、複写漏れや違う番号を複写したケースがあったという。入力漏れで警告が表示されず、2426人が誤った説明を受けた。

 このほか23人は警告が表示されたが、応対した職員が間違った説明をしたという。機構は「6月14日までにすべて修正した」と説明している。

 機構の水島藤一郎理事長は誤った説明になっていることを6月13日に把握したが公表しなかった。記者会見した水島理事長は「事案の重大性を考えれば早急に公表すべき事案だった。私の認識の誤りで公表が遅れたことをおわびします」と陳謝した。【古関俊樹】

最新写真特集