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昨今、データを活用したビジネス応用事例を多く目にするようになった。筆者もデータアナリストとして活動するなかで、データ活用のニーズの多さを実感している。一方で、データは存在するが活用ができていない、という状態の企業もまだまだ多い。分析のための組織を作った、作りたいがチームビルディングの進め方が分からないという声も耳にする。
本連載は、現在情報システム部門で業務をされている方に、データ分析組織を構築する上での注意点を解説したい。
第1回は、情シスとデータ分析の親和性に触れ、マーケティング部門と連携ができるようになることをゴールにし、そのメリットや、心がけるべきことなどについて触れていく。
まず、情シスが、なぜデータ分析に適しているのか、を論じたい。それは、MySQLなどを用いたデータ操作に対して明るい点が大きい。
「それだけで?」と思われた読者もいるかもしれない。実は、データ分析に費やされる時間の8割は前処理(データの加工やクリーニング)、と言われている。つまりスピーディにデータ分析ができるかどうかは、データの操作スキルに大きく依存する。当然データの操作スキルに長けている情シスがデータ分析を行うのに適しているということになる。
あとは、何を分析するかを決めれば、すぐにでもデータを分析できる。しかし、これが案外難しい。なぜなら、その答えが情シス内にはないことが多いからだ。
ここでひとつ、分析の事例を見てみよう。
A社は、ハガキによるダイレクトメール(DM)配信による顧客アプローチの費用対効果が悪いと感じていた。
顧客行動の分析により、DM配信先のターゲットを最適化した。
結果、DMの効果は落とさずコストダウンを成功させ、費用対効果を改善できた。
この事例では、「DMの費用対効果が悪い」が課題として挙げられ、その課題を解決することが分析の目的になっており、分析者にとって課題が明確で分析しやすいといえる。
このような課題は情シス内に閉じていては発見できない。必然的に他部門に目を向け、データ分析で解決できる課題を認識する必要が出てくる。
「情シスがデータ分析をできる」ようになる第一歩として、他部門と連携し、そこで顕在化している課題の解決を分析の目的にすることをお勧めしたい。
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