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フランス映画はなぜ世界に注目される?『フランス映画祭』に学ぶ
インタビュー・テキスト:宇野維正 撮影:豊島望(2015/07/13)
数々のフランス映画の話題作が初公開され、今年も大盛況のうちに幕を閉じた『フランス映画祭』(6月26~29日)。12の上映作品に共通していたのは「自分とは異なる他者を、人はどのように受け入れていくか?」というテーマ。聾唖の家族を描き観客賞を受賞した『エール!』や、女装して精神的にも女性に近づいていく主人公を捉えたフランソワ・オゾンの『彼は秘密の女ともだち』、イスラム過激派の弾圧に苦しみながらも音楽を愛し続ける父と娘の姿をおさめた『ティンブクトゥ(仮題)』など、移民大国でもあるフランスならではの「違いへの寛容と受容」を描いた作品がラインナップされた。
CINRAでは、『フランス映画祭』を主催するユニフランス・フィルムズ代表のイザベル・ジョルダーノに取材を敢行。ジャーナリスト出身である彼女に、今年で23年目を迎えた同映画祭について、フランス映画界の現在について、さらには「カナダのフランス語圏出身のグザヴィエ・ドランはフランス国内でどのように受け入れられているか?」問題から昨年のシャルリー・エブド襲撃事件まで、多岐にわたる話題に関して質問を投げかけてみた。
イザベル・ジョルダーノ
1963年パリ生まれ。パリ政治学院を卒業後、ジャーナリストとして活動の後、10年にわたってテレビ局で映画情報番組の制作とプレゼンターをつとめる。2009年、フランス芸術文化勲章オフィシエ受勲。2013年にレジオンドヌール勲章シュヴァリエ受勲。2013年9月よりユニフランス・フィルムズ代表に就任。フランス文化の海外での普及振興に力を注いでいる。
世界中でフランス映画の振興をめざします - uniFrance Films
フランスでも「映画を観に行く」と言ったときに、まず人が頭に思い浮かべるのはハリウッド映画です(笑)。でも、フランスには一定数のシネフィリー(映画愛好者)がいて、自国映画のシェアも4割近くあります。
―『フランス映画祭』は今年で23年目を迎えて、数ある日本国内の映画祭の中でも長い歴史を持つ映画祭の1つとなっています。ジョルダーノさんが直接関わられるようになったのはこの2、3年ですが、たとえば1990年代や2000年代と比べて、現在の『フランス映画祭』はどのような変化や成長を遂げていると考えていますか?
ジョルダーノ:日本でどのようにフランス映画が観られてきたかということと、『フランス映画祭』の在り方は切っても切れない関係にあると言えます。この映画祭をかつて横浜で開催していた時代は、日本の一般的な観客の皆さんにもフランス映画はとても広く受け入れられていて、アラン・ドロンのようなスターが来日した際にはとても多くのファンやメディア関係者が集まりました。でも、ある時期を境に、日本においてフランス映画の存在感がだんだん薄れていきました。それでも、前任者たちの努力もあって『フランス映画祭』は継続することができて、現在はまたフランス映画にとって非常に希望に満ちた時代がやってきています。近年の『美女と野獣』(2014年)、『最強のふたり』(2011年)などの日本でのヒットはその表れですよね。日本の映画配給会社は、毎年約40本近くのフランス映画を買ってくれます。これはフランス映画の海外セールスにおいて、非常に大きなマーケットであることを意味します。必ずしもすべての作品にたくさんのお客さんが集まるわけではありませんが(笑)。
―フランス映画に限らず、日本ではここ10数年、エンターテイメント作品ではない、いわゆるアート系作品への観客の関心が、80年代や90年代と比べて低くなっている傾向があります。フランス国内でも同じような状況なのでしょうか?
ジョルダーノ:いろいろと理由はあると思うんですけど、近年ハリウッド映画がますます力を持つようになってきたというのがまず背景にあると思います。フランスでも「映画を観に行く」と言ったときに、まず人が頭に思い浮かべるのはハリウッド映画です(笑)。でも、フランスには一定数のシネフィリー(映画愛好者)がいて、今でも自国映画のシェアが4割近くあります。私の仕事は、そんな現在のフランス映画を世界の人たちに紹介していくことなんです。
『エール!』© 2014 – Jerico – Mars Films – France 2 Cinéma – Quarante 12 Films – Vendôme Production – Nexus Factory – Umedia
『彼は秘密の女ともだち』©2014 MANDARIN CINEMA - MARS FILM - FRANCE 2 CINEMA - FOZ
―でも、その4割というのは必ずしもアート系の作品ばかりではなく、近年は娯楽作品の割合が増えているんじゃないですか?
ジョルダーノ:そうですね。それは近年の『フランス映画祭』のラインナップにも表れていると思います。現在のフランス映画の特徴の1つは、その多様性にあります。特に今年の『フランス映画祭』では、その多様性に重きをおいて作品をセレクトしていきました。悲劇もあれば喜劇もあり、国内で大ヒットした作品もあれば、それほどヒットしていない作品でも紹介する価値があると思う作品は積極的にラインナップに入れています。また、今年の作品群から浮き上がってくるもう1つのテーマは、「自分とは異なる他者を、人はどのように受け入れていくか?」ということだと感じています。
―フランスの多様な文化的背景を踏まえたテーマ設定ですね。
ジョルダーノ:たとえば『エール!』(エリック・ラルティゴ監督)は耳が聞こえない家族の話ですし、『ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲』(フィリップ・ドゥ・ショーヴロン監督)は人種や宗教の違う人々を迎え入れる家族の話で、『彼は秘密の女ともだち』(フランソワ・オゾン監督)は女装して精神的にも女性に近づいていく男性を、人はどのように受け入れていくかという話です。セクシャリティーの問題に関しては『ヴィオレット(原題)』(マルタン・プロヴォスト監督)でも描かれていますね。「他者を受け入れる」ためには、まずその他者を認識する必要があるわけですが、それは映画というものの大きな役割の1つだと私は考えています。人々は映画を通して違う世界と出会い、違う人々と出会っていく。そこから生まれる対話というのは、社会にとっても重要なことだと思うのです。
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