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 中国の人権派弁護士らが相次ぎ拘束された問題で、13日までに連行された人が一時的な拘束を含め120人に達したことが香港の支援団体などの調べで分かった。摘発は、北京の弁護士事務所を主な標的に、中国公安省が指揮していたことも判明。弁護士がブロガーらとつながり、反政府的な世論をつくり出しているとして弾圧に踏み切った。

 香港のNPO「中国人権弁護士関注組」によると、13日夕までに拘束・連行されたのは120人に上った。内訳は刑事拘留6人、自宅軟禁3人、事情聴取を受け釈放されたのが95人、消息不明などが16人。

 刑事拘留された6人は、周世鋒氏や王宇氏らいずれも北京鋒鋭弁護士事務所の関係者。聴取を受けた各地の弁護士も同事務所との関係を聴かれたり、同事務所弁護士らの釈放を求める呼びかけに加わらないよう求められたりしている。

 国営新華社通信は11日深夜、一連の摘発の背景を示す長文の記事を配信した。

 それによると、公安省は同事務所を中心とするグループが2012年以降、40件以上の政治事件をあおり立てたと認定。グループを「社会秩序をかき乱す重大な犯罪一味」として、各地の公安当局に一斉摘発を指示したという。

 記事が「罪状」の一つとして挙げたのが、5月、黒竜江省の駅で住民が警察官ともみ合い、射殺された事件だ。