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【iRONNA】
翁長知事は沖縄をどの方向へ引っ張っていくのか
翁長知事にそれがあるのか。知事自身が明確に答えている。4月に沖縄を訪れた菅義偉官房長官に対して「辺野古移設の代替案を持っているのかという話をされること自体が政治の堕落だ」と主張したのだ。これでは、辺野古移設さえ阻止すれば「あとは野となれ山となれ」が知事の真意だと指摘されても仕方がない。
知事も出席する辺野古移設反対の集会では、沖縄の「非武装化」「緩衝地帯化」を訴える弁士が登壇。参加者は「日米安保粉砕」と記されたプラカードを掲げている。知事自身の考えはどうあれ、知事を支えている反基地派は、間違いなく沖縄からの全面的な軍事力撤去を叫んでいる。これでは有効な「辺野古移設の代替案」などは期待すべくもない。
翁長知事が主張する形での辺野古移設阻止は、尖閣を危険に陥れる。だから「代替案を出せと言うのは政治の堕落だ」だという知事のセリフは八重山住民には通用しない。「代替案がないというのは県政の堕落だ」と反論されるのが落ちだろう。
翁長知事が今後、沖縄をどの方向へ引っ張っていくのか、考えられるシナリオは次の通りだ。
まず、念願叶って辺野古移設を阻止した場合だ。翁長氏は知事選の公約を達成したことになるが、政府は「現在の普天間飛行場が固定化される」と警告している。移設阻止と引き換えに、市街地にある「世界一危険な飛行場」が放置されるなら、知事の責任は重大だ。