米大統領選:ブッシュ元知事、出馬表明 共和党11人目

毎日新聞 2015年06月16日 11時23分(最終更新 06月16日 12時58分)

地元フロリダ州で大統領選に向けた党予備選への立候補を表明した共和党のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事=米南部フロリダ州のマイアミ・デード大で2015年6月15日、西田進一郎撮影
地元フロリダ州で大統領選に向けた党予備選への立候補を表明した共和党のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事=米南部フロリダ州のマイアミ・デード大で2015年6月15日、西田進一郎撮影

 【マイアミ(米南部フロリダ州)西田進一郎】米共和党のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(62)は15日、同州マイアミで「米国は非常に悪い方向に向かっており、我々がこれに対して何をするかだ。だから私は大統領選への立候補を決めた」と演説し、2016年大統領選挙に向けた党予備選への立候補を正式に表明した。共和党で正式な表明は11人目。世論調査で同党首位を争うブッシュ氏の表明で、候補者指名争いは一層激しくなりそうだ。

 ブッシュ氏は「大統領はリベラル派からリベラル派に引き継ぐべきではない」と、ヒラリー・クリントン前国務長官(67)ら民主党候補をけん制し、政権奪還の必要性を訴えた。

 また、知事時代に年4.4%の経済成長や1300万人の雇用創出を果たしたことを示し、大統領として「年4%の経済成長と1900万人の新規雇用創出」を目標にすると宣言。「我々が正しいことをやれば、米国を他にない経済的な超大国にできる」と語った。

 さらに、オバマ大統領とクリントン氏、ケリー国務長官の外交政策について、危機を封じ込めることも暴力と対立することもせず、友好国を守らず、同盟関係もだめになったと酷評し、自分が立て直すと強調した。

 ブッシュ氏は父と兄が大統領経験者で、抜群の知名度を持つ。大統領選のたびに共和、民主両党の勢力が拮抗(きっこう)する「スイング・ステート(揺れる州)」で、全米3位の人口を誇るフロリダ州で2期8年知事を務めた実績がある。

 コルンバ夫人はメキシコ出身で、ブッシュ氏はスペイン語も堪能だ。移民制度改革に前向きで、共和党の課題であるヒスパニック系の支持もある。実績と知名度、人口が急増するヒスパニック系へのアピール力があることから、共和党内の「穏健派」や同党を推すビジネス界などから支持されている。

 ブッシュ氏は昨年12月、立候補への意欲を表明。最有力候補と目され、多くの世論調査で首位を走ってきた。ただ「ブッシュ家で3人目」に対する抵抗感が国民にあるほか、共和党の保守強硬派からは移民制度改革や教育問題への対応で批判を浴びている。

 支持率は大きく伸びず、若手で保守強硬派からの支持を得るウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事(47)やマルコ・ルビオ上院議員(44)がほぼ並ぶ展開になっている。

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