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【衝撃事件の核心】
日本を踏み台に米韓へサイバー攻撃する中国犯罪グループ 警視庁押収「代理サーバー」から出てきた“仰天犯罪情報”
海外攻撃も日本踏み台
また不正送金用のフィッシングサイト画面は、日本国内の大手銀行のネットバンキングを似せていた。中国の犯罪グループがネットバンキング利用者にフィッシングメールを送信して、この偽サイトへ誘導。画面の指示に沿って入力されたIDなどの個人情報を盗んで不正送金を行っていたとみられる。
このほか、韓国の人気検索サイト「NAVER(ネイバー)」の偽サイトも検出。このサイトに接続すると、日本の金融庁に当たる韓国の「金融監督院」とする画面が現れ、利用している金融機関を選択するよう求められる。選ぶとその金融機関のフィッシングサイトに誘導されるようになっており、日本の代理サーバーを踏み台に韓国を標的にしていたことも判明した。
解析終了は「ごく一部…」
捜査幹部はこれまでの解析結果について「終了したのはごく一部。にもかかわらずこれだけ大量の情報が出てくるとは」と驚きを隠さない。その上で「代理サーバーは中国からのサイバー犯罪の温床になっている」と改めて強調する。
この業者らの代理サーバーを介したネットバンキングの不正送金被害は、昨年上半期だけで少なくとも約300件、計約4億5千万円に上るとされている。警視庁は、背後に中国のサイバー犯罪グループがいるとみて、サーバーの解析を進めるとともに、国際刑事警察機構(ICPO)に照会するなどして、関係者の行方を追っている。