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岩田社長失った任天堂 直面する3つの課題
ジャーナリスト 新 清士

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2015/7/13 21:15
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決算を発表する任天堂の岩田社長
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決算を発表する任天堂の岩田社長

 11日、任天堂の岩田聡社長が亡くなった。岩田氏は、任天堂のカリスマ経営者として大きな役割を担ってきた。2014年1月には、同社が今後10年かけて取り組むテーマとして、「人々のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を楽しく向上させる」と宣言し、次々と新しい戦略を推し進めている最中だった。

■山内氏のアイデアを現場で具現化

 岩田氏は、任天堂を家庭用ゲーム会社として育て上げたワンマン経営者の故・山内溥氏から指名され、後任として02年に42歳で社長となった。ハル研究所という外部の企業での実績を買われ、山内氏の後ろ盾の下、任天堂にまったく新しい風を呼び込んだ。04年に携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を、06年に家庭用ゲーム機「Wii」を発売し、どちらも大ヒットさせた。

 05年に山内氏が相談役に退いた後も、要所要所で経営に関与していたとされる山内氏から岩田氏への信頼は絶大だった。山内氏の「鶴の一声」を、社内にも社外にもわかりやすい戦略に落とし込み具現化していくのが岩田氏の役目だった。

 任天堂が自社サイトで公開している「社長が訊く」のインタビュー記事から、岩田氏と山内氏との関係の深さが見てとれる。自社のゲームやハード機に関してトップに直接質問するコラムだが、ニンテンドーDSが上下2画面になった理由を、岩田氏は「山内さんが2画面にものすごくこだわった。とにかく2画面にしてくれという要望があった」と語っている。「山内さんの情熱がなければ、ニンテンドーDSはあの形をしていない」(岩田氏)

任天堂が発表した3次元(3D)対応の新型携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」(2010年9月29日午後、千葉市美浜区の幕張メッセ)
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任天堂が発表した3次元(3D)対応の新型携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」(2010年9月29日午後、千葉市美浜区の幕張メッセ)

 発売当時、無謀とも思われた2画面のゲーム機を結果的にヒットさせたのは、山内氏の要望に、岩田氏を含む現場が是が非でもと応えた結果だった。3DSに裸眼立体3D機能を搭載したのも、山内氏が「飛び出せへんのか?」と話したことが理由の一つと語っている。

 11年2月に3DSを発売した後、販売は予想以上に不振で8月には2万5000円から、1万円の値下げを行うという異例の価格改定を行った。ハード事業の赤字化は不可避だったが、それよりも台数の普及を優先した。ある機関投資家によれば、「この決定にも山内氏の鶴の一声があった」という。その後、3DSは、現在までに5000万台を超える大ヒット商品となった。

■岩田氏が進めていた戦略変更

 13年9月に山内氏が亡くなったことで、任天堂は長年続いたトップダウン体制が終焉(しゅうえん)を迎えることとなった。否応なしに、新しく変わらなければならない状況に直面したのだ。社長として後を引き継いだ岩田氏は、山内氏亡き“新生”任天堂の道筋を付けたいという思いが人一倍強かっただろうと推察される。

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