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色促反応と色失反応
構成術師特有の、遺伝的な色素異常のこと。
症状としては髪の色や瞳(虹彩)などの部位の色の変化として表面化するケースが多い。現状、身体への悪影響は確認されていない。
色素異常と言ってもDNAから生じるような色素異常が要因ではなく、「色促反応」が起こる原因はその実、ミーム細胞が大きく関わっている。
これは両親あるいはその祖父母に当たる、つまり血縁者のいずれかが構成術師であった場合にのみ非常に稀な確率で生じる特殊な遺伝発現である。
色促反応は生まれながらにして脳内にミーム細胞が存在する証拠であり、色素体であるメラニンの欠乏と同時に、頭皮などの毛根にある毛球細胞に詞素あるいはミーム細胞が織り込まれた結果によるものだと考えられている。また、瞳の色彩についても同様の要因に因る虹彩の色素異常が原因だと言われているらしい。
発見当初は人体への悪影響を危惧され虐げられたものであったが、現在ではむしろ先天的に優れた構成術師の才能を持つ者として、『色付き』という「愛称」と共に周囲からは好ましく認知されている。
一方、色失反応はその呼称からも連想しやすいが、色促反応の亜種症状であり、「色無し」という一種の差別用語を用いて度々卑下される。
色促反応と同じく構成術師特有の遺伝的な色素異常には違いないが、通常の色促反応と色失反応との明確な違いはその性質にある。
端的に述べれば、色失反応の場合、脳内に存在するミーム細胞が先天的に劣化していると言われている。
色失反応の場合は詞素が吸蔵されずメラニンの欠乏のみが生じる為、ただ単純に色素が薄くなる傾向にある。中には肌の色まで薄くなるケースもあるという。
詞素欠乏症が卑下されるのは、個人個人の詞素容量は生まれつきの才能とされ、統計学的に見てもミーム細胞の発達が目覚ましい者ほど、身体能力や構成術の制御能力などのあらゆる面において「生物学的に優れている」と考えられている為である。
しかしその症状は精密検査を除けば基本外見でのみ判断されるものであり、髪を染めたりカラーコンタクトや整形手術の類で体色を変えたりと、隠す方法はいくつかある。
現状、色失反応の発症者はこれらの方法を用いて、社会に一般人として適応している。
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