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オレは女子高生 作者:AT
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10章 第196話 梅雨 オレの夢・・・?

 「・・・・・」

・・今日は空もどんよりと黒い雲で覆われていて・・朝からずっとジトジトと雨が降り続いている・・梅雨だから仕方ないけど・・・まるでオレの気持ちのようだ・・・

「・・こんにちはぁ・・」
保健室の戸を開けると・・・
「有希ちゃんいらっしゃい、そろそろ来るんじゃないかと思って待ってたわよ。」
「ぁ・・はぃ・・・」

・・オレが今日、保健室に来たのは・・もちろんアノこと・・・

「どう? 手術する決心はついた?」
「ぁ・・はぃ・・決心っていうか・・・」
・・正直に言えば“決心”はついていないと思う・・・でも・・・
「・・わたし・・夏休みに入ったら手術しようと思います・・・」

・・だって・・“決心”はいまいちついてないけど・・夏休みに手術しなければ・・オレは女の子で高校を卒業することが出来なくなりそうだし・・・

・・それに・・もうアソコ以外は・・身体も女の子みたいになってるんだから・・あとはアソコも手術して・・全部女の子になるのが一番良いことなのはわかってる・・・

「そう、良く決心したわね。それじゃ早速大学病院の田口先生に連絡しておくわね。」
「・・はぃ・・よろしくお願いします・・・」

・・全部女の子になるのが一番良いことなのはわかってるのに・・・高校に入学してからずっと女の子になる努力してきたのに・・アソコを手術すると決めた今、なんでこんなに暗い気持ちなんだろう・・・

・・もっと時間があったらいいのに・・・

・・でも・・もうタイムリミットなんだ・・・

・・それに・・いくら時間があっても同じ気もするし・・・

「でも有希ちゃんもやっと女の子になれるのね。感慨深いんじゃない?」
「・・・・?」
「有希ちゃんは小さな頃からずっと女の子になりたかったんでしょう?」
「ぁ・・はぃ・・・」
「全部って訳にはいかないかも知れないけど・・あなたの夢が叶うのよね。」
「!・・はぃ・・・」

・・オレの夢・・?

・・女の子になるのが・・オレの夢だったんだろうか・・・?

“キンコ~ン・・カンコ~ン・・”
「ぁ・・」
昼休みの終わりを知らせる鐘の音・・・
「それじゃ・・失礼します・・」
「うん、後は私に任せておいて、ちゃんと手筈は整えておくから。」
「はぃ・・」

・・保健室の戸を閉めると・・とたんに気持ちが重くなってきた・・・

・・とうとう手術するって言ってしまった・・・もう・・後戻りは出来ないのだ・・・


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


 3年生になって現国を習っている清水先生が本を読み上げる・・・

「アン、あんたの髪をどうしたの?まあ,緑色じゃないか」
この世の色なら,まあ緑色といったところだろう――奇妙な,つやのない青銅がかった緑色で,ひと筋,ふた筋,もとの赤いのがまじって,いっそう気味のわるい効果をあげていた。このときのアンの髪ぐらいグロテスクなものをマリラはこれまでに見たことがなかった。
「そうなの。緑色なの」アンはうめいた。「赤い毛くらい,いやなものはないと思っていたけれど,いまとなってみれば緑色の髪のほうが十倍もいやなことがわかったわ。ああ,マリラ。どんなにあたしがみじめだか,わかってもらえないと思うわ」
(ルーシー・モード・モンゴメリ作『赤毛のアン』村岡花子訳より引用)

・・『赤毛のアン』か・・・オレは女の子になる勉強のひとつとして、三吉先生にすすめられて少女文学と言われる小説をいくつか読んだ・・『赤毛のアン』もそんな中のひとつだった・・・でも・・さすがに元男の子のオレには、すぐに女の子らしい妄想にふけってしまうアンの気持ちは良くわからなかった・・・

・・それにあの頃はまだ・・オレは自分のことを、ごく普通の男の子だと思っていた・・・

・・先生は『赤毛のアン』を“特にすばらしい”本だって言ったけど・・・

・・『赤毛のアン』は三吉先生がオレくらいの歳のころに心をときめかせて読んだ話らしい・・先生に少女だった頃があるなんて・・なんか想像出来ないけど・・・でもオレが読んだのも先生が読んだのと同じ何十年も前の訳だから・・かなり文章が古めかしくて・・どういう意味なのか良くわからないところも多かった・・・

・・だけどこの話は良くおぼえている・・これはアンが、留守番のあいだ誰も家に入れちゃいけないっていう約束をしてたのに、外で話を聞くのなら家に入れるワケじゃないから良いだろうと行商人と話してしまった時のことだ・・・

・・結局アンは行商人から言葉巧みにダマされて、自分のコンプレックスである赤毛でも真っ黒に染まるという毛染め薬を買ってしまった・・・そしてそれを使って染めてみると・・まだらでヘンな色になってしまう・・・

・・それでアンは“この世のものとも思えない”色に染まってしまった髪をバッサリと切らなきゃいけなくなってしまうのだ・・・いくら嫌いな赤毛でも、切るのはもっと嫌だったらしい・・・アンは大げさに嘆きながら髪をものすごく短く切ってしまうのだ・・・

・・アンは自分が虚栄心を満足させるためにやったことで最悪の結果になってしまった・・それまではあまり反省しないコだったけど・・本人の言い分では「同じ失敗は二度としないのがあたしの良いところ」なんて言ってるけど、次から次へと違う失敗をしてしまう・・・

・・でもこれにはさすがに懲りたようだ・・それまで嫌いだった赤毛でも短い髪に比べたらどれだけ良かったかがわかって・・・アンはこの事件で少しだけ大人になったんじゃないかと思う。

・・オレも女の子なってからはずっと髪を伸ばしてて・・今は腰から少し上のあたりで揃えてもらっている・・もし今、この髪を短く切らなきゃいけなくなったら・・やっぱり少しは悲しいかもしれない・・・オレが女の子になってからの思い出も詰まってるような気もするし・・・でもさすがにアンほどオーバーに嘆き悲しむことはないと思う・・・

朗読し終わると清水先生は・・・
「小説を読む時には素直に心で感じるまま読むことも大事なことですが、その小説が書かれた時代というものを知ることも重要なことです。みなさんは髪を短くするといっても、そんなに大したことじゃないと思うかも知れないわね。だけどこの時代は女性が髪を短くすることなんて無かった時代なの。今のようにオシャレでショートカットにするのとは訳が違うのよ。そういう時代背景を考えれば、アンが髪を切ることがいかに辛かったかが想像出来るんじゃないかしら?」

!!・・そうか・・・そういうことだったのか・・・オレはアンってコは何事も大げさに言うコだから・・髪を短く切った時もあんなふうに大げさに嘆いたのだと思っていた・・・でも・・女の子が髪を短くするなんて有り得ない時代だったら・・アンの嘆きようがオレにも理解出来る気がする・・・

・・三吉先生は、女の子はみんなアンなんだって言っていた・・・

・・アンは自分のことを赤毛で、ソバカスだらけで、やせっぽちで魅力のないコだと思っている・・・

・・それが・・だんだん大人になるごとに・・誰もが美人だという感じではないけど・・キレイで頭が良くて個性的な魅力的のある女性になっていく・・・

・・もっともアン自身は最後まで自分がどれほど魅力的なのか気づいてないみたいだったけど・・・

・・オレも自分に自信がないけど・・大人になったら・・アンみたいにステキな女性になるのだろうか?

・・でも・・アンは元々女の子だし・・・男の子だったオレがステキな女性になんて・・・

・・童話の『みにくいあひるの子』だって・・決してアヒルが白鳥になったワケじゃない・・最初から白鳥だったんだ・・・


「有希ちゃんは小さな頃からずっと女の子になりたかったんでしょう?」
白石先生が言った言葉が・・いつまでも心に引っかかっている・・・

 オレは本当に小さい頃は、自分のことを女の子だと思ってたのだろうか・・?

・・いや・・もの心つかないような小さい頃はわからないけど・・小学校2年生の頃は、さすがに自分が男の子だということは、ちゃんとわかっていたと思う・・だから外では女の子の格好をしなかったんだろうし・・・

・・でも心は女の子だったのだろうか?・・・でなければ家でも女の子の格好はしなかったと思う・・・

・・その小学2年生だったオレが・・かあさんの話では・・イジメられて・・・それからオレは女の子の心を忘れて男の子になってしまった・・・(19話参照)

・・でもそれって・・決して楽なことじゃなかったと思う・・・高校生になって女の子になるのも楽じゃなかったけど・・・そんな小さな子供のオレが・・女の子の心を封印して・・普通の男の子だと思い込んでしまうなんて・・・

・・だけど・・子供は順応が早いっていうし・・もしかしたら女の子になった時ほど大変じゃなかったのかも・・・それだったら良いんだけど・・・だって小学2年生のオレが・・そんな辛い思いしてたらあまりに可哀想・・・

・・それでもやっぱり辛かったと思う・・すごく辛かったハズだ・・それほど辛い思いをして男の子になったのに・・オレはまた女の子になってしまった・・そして手術までしようとしている・・・

 子供の頃のオレが今のオレのことを知ったら・・どう思うだろう・・・辛い思いをしてまで男の子になったのに・・また女の子になってしまったなんて・・・しかも身体まで女の子みたいにしようとしてるなんて・・・

・・バカだと思うだろうか・・・それとも喜んでくれるかな?・・・今のオレには昔のオレがどう思うのか、まったく想像すら出来ない・・・


「アンって読んだことあったけど、あの時代にベリーショートにするってことがどういうことかってのは知らなかったなぁ・・」
授業が終わって、何げなくオレが言うと、千里が・・・
「でも有希ってアンっぽいよね。」
「え?!わたしが?」
・・オレのどこがアンっぽいのだろうか・・?
「どこが?」
「う~ん・・そう言われると難しいけど・・自分に対する評価が低いとことか?」
「ぁ・・」

・・まぁ・・それはあるかも知れないけど・・それはオレが本当は男だからだし・・・

「あと有希って想像力がゆたかじゃない?」
「え?・・そ・・そうかなぁ・・・」
・・オレはそうは思わないけど・・それにアンの想像力ってハンパないし・・・オレの想像力なんか足元にも及ばないと思う・・・

すると直美が話に割って入ってきて・・・
「千里ぉ、有希とアンのどこが似てるのよ!」
!・・やっぱり・・似てないよなぁ・・・
「アンって容姿は人並み以下なんでしょう? でも有希は飛び抜けて可愛いじゃない!」
!!・・それは・・さすがに言い過ぎでは・・・

「まあ、それはそうだけど・・有希ってすごく女の子らしいところもあれば、どこか男の子みたいなところもあったりして・・その感じがなんかアンっぽいのよ!」
「え~!! 何言ってんの千里、有希に男の子っぽいところなんんて無いわよ~ ねぇ有希!!」
そう言いながら、どさくさ紛れにオレに抱きついてきた!
「あうっ・・ちょっと直美ぃ・・・」
「有希かわいい~~」
「ひゃっ・・ちょっとぉ~ 千里たすけてよ~!!」
「アハハハハ・・」
「・・阿部っちも笑ってないで・・たすけて~!」

オレにキスしようとする直美を振りほどきながらふと見ると、弘子が面白そうにオレたちを見ていた・・・

・・弘子は・・こんなオレたちを見てどう思ってるんだろう・・・

・・オレが男だって知ってるのに・・・

・・でも・・一緒にお風呂にだって入ってくれるくらいだから・・・やっぱりオレのこと女の子だと思ってくれてるのかな・・・オチンチンは付いてるけど・・・


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


 クラブが終わり学校からの帰り道・・・

「ねえ、長谷川さん・・『赤毛のアン』って読んだことある?」
「あぁ、清水の授業でしょう? あんたのとこもやってるんだ?」
「うん・・」

「読んだことあるけど、小学生の頃だからいまいち憶えてないかな・・」
「・・そうなんだ・・・」
「なんで? 赤毛のアンがどうかした?」
「・・ん?・・うん・・千里がさ・・わたしがアンっぽいって・・・」
「え~?! どこがよ!」
「や・・やっぱりそうだよね・・全然ちがうよね・・」

・・やっぱり・・オレはアンみたいにステキなコじゃない・・・

「まあ、しいて似てるとこっていえば・・ウジウジしてるとこくらいじゃない?」
また?!・・オレはウジウジなんてしてないのに!・・・それに・・・
「・・アンって・・ウジウジしてたっけ?」
・・アンはかなりハキハキしたコだと思うけど・・・
「してるわよ、どうでもいいことにいちいち大げさに悩んでるじゃない。」
「・・・・・」
・・う~ん・・そう言われてみれば・・そうかも知れないけど・・・でもそんなアンをウジウジしてるって表現する人はいないんじゃないかなぁ・・・

・・やっぱり長谷川って変わってる・・・

「・・でも佐倉さんにはアンっぽく見えるのかもね。」
「え?」
「・・だってあんた、あの人たちといる時はノビノビしてるみたいじゃない!」
「・・そんなこと・・ないと思うけど・・・」
「そんなことあるわよ! わたしといる時は大人しいクセに、あの人たちの前だと結構はしゃいでるじゃない! 知ってるのよ!」
「・・・・・」

・・それは・・長谷川がすぐ怒るからじゃないか・・・でもそんなこと言ったらまた怒り出しそうだし・・・

「・・それはさぁ・・長谷川さんは・・わたしの本当のこと知ってるワケだし・・まったく同じってワケにはいかないけど・・・」
「でも原口さんは知ってるじゃない。」
「・・まぁ・・そうだけど・・弘子も最初から知ってたワケじゃないし・・・それに弘子は本当のこと知ってても・・今でもわたしのとこ女の子だと思ってるみたいだし・・・」
「?・・どういうこと?」
「だってわたしのこと男の子なんて意識してたら、一緒にお風呂なんか入れないんじゃない?」
「えっ!あんた原口さんとお風呂に入ったの?!」
!!・・しまった・・つい口が滑っちゃった・・・

「ぁ・・あの・・修学旅行の時の話よ・・・」
「・・でもそれはみんなと入ったんでしょう?」
「そ・・そうだけど・・でも弘子はもう知ってたもん・・知ってたけど平気そうだった・・・」
「・・・・・」
・・うぅ・・うまくゴマかせたかな?・・なんか納得してない感じだけど・・・

「・・まあ、わたしは原口さんのこと良く知らないけど・・有希の話聞いてると変わった人みたいだし・・」
「!!・・そんな・・弘子のことを変人みたいに言わないでよ!」
・・オレに言わせれば長谷川の方がよほど変人だ!
「だって本当のことじゃない。それまで女の子だと思ってた友達が本当は男だって知ったら、普通は平気じゃいられないわよ!そう思わない?」
「?・・でも長谷川さんだって・・普通にしてるじゃない・・・」
「あのねぇ、わたしはあんたのことを最初から男だって知ってるから、いくらあんたが女になっても女どうしの会話なんかしてないの!」

「??」
「わからないかなぁ、女どうしの会話じゃ男になんて聞かせられないようなこといっぱい話すでしょう?」
「・・うん・・そうかな・・」
「何気にそんな会話してた相手が本当は男だったなんてわかったらどう思う?」
「!!・・それは・・困っちゃうかも・・・」
「でしょう? 普通は困っちゃうものなの!」
「・・・・・」
・・言われてみれば・・たしかにそんな気も・・・女の子どうしなら男の子には聞かせられないような事でも平気で話すし・・・

「あんたと原口さんも、そんな女の子どうしのハナシしてたんじゃないの?」
「・・したかも・・・」
「その何の隠し事もない会話をしてた相手が、本当は男だったってのに平気なんて変でしょう?」
「・・うぅ・・それは・・・」

・・でも弘子は・・オレのことを本当にわかってくれてるから・・女の子だと思ってくれてるんじゃないかなぁ・・・

・・だって・・弘子はステキな女の子なんだもん・・・

「あんたホント気をつけなさいよ? みんなが原口さんみたいじゃないんだからね!」
「・・ぅ・・うん・・・」
「仲がいい友達だって、あんたが男だってわかったら、どんな態度とるかわからないんだからね!」
「・・ぅ・・うん・・そうよね・・・」

・・もしもオレが本当は男だってバレたら・・千里や直美や・・阿部っちやミサトちゃん・・クラスのみんなも・・・みんな・・みんな・・態度が変わっちゃうのかな・・・

・・小学生のころ・・家で女の子の服を着てたのを知られた時みたいに・・・

・・いや・・それ以上かも・・・家でただ女の子の服を着てたのと・・2年間もずっとみんなのことをダマしてたのと・・同じなハズがない・・・

・・でも・・それでも・・千里と直美だけには変わってほしくない・・だって・・オレたち4人は男とか女とか関係なく・・親友だと思うから・・・

・・それとも・・そう思ってるのはオレだけなのかな?・・もしそうだったら・・すごく悲しい・・・


「・・うぅっ・・」
「?・・どうしたの? あんた泣いてるの?」
「・・ぅっ・・ううん・・・」
「ウソ!泣いてるじゃない!」
「・・な・・泣いてないもん・・・」
・・でも・・いくら止めようとしても涙があふれてくる・・・

「なによ、やっぱりウジウジしてるじゃない。」
「・・ぅっ・・うん・・・」
・・ホントだ・・オレってウジウジしてる・・・
「どうせ起こっても無いこと考えて悲しくなったんでしょう?」
「・・・・・」
「心配するのは起こってからでいいのよ!」
「・・・・!」
・・長谷川って・・なんかたくましい・・・そう言ってもらうと・・ちょっと気持ちが楽になる・・・

・・もっとも・・何の根拠もないけど・・・

「ほら、泣かないの! あんたたち親友なんでしょう?」
「・・ぅ・・・」
「親友のこと信じてるんでしょう? 信じてないの?!」
「・・し・・しんじ・・てる・・・」
「だったらちゃんと信じなさいよ!」
「・・ぅ・・うん・・・」

「・・もうっ・・最近は泣かなくなったから、少しはしっかりしたのかと思ってたのに・・・」
「・・ご・・ごめん・・・」
・・そうだよな・・オレたち親友なんだもん・・・信じないと・・・
「ほらティッシュ、涙拭きなさいよ。誰かに見られたら、わたしが有希のこと泣かしてると思われるじゃない!」
「・・うん・・」

 オレは長谷川がくれたティッシュで涙を拭いて・・ついでに鼻もかんだ・・・


・・アソコを手術して・・女の子の身体になったら・・こういう心配はしなくて済むのだろうか・・・?

・・でも・・いくら手術で女の子の身体になったとしても・・オレが本当は男だという事実は消えない・・・

・・バレにくくはなるだろうけど・・それでもバレればただでは済まないのだろう・・・

・・だけど・・千里と直美だけでも・・変わらないと信じたい・・・

・・・・・・・

・・・・・

・・やっぱりミサトちゃんも信じてる・・だってオレの可愛い後輩なんだもん・・・




‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

みなさま、あけましておめでとうございます!
本年も「オレ女」をよろしくお願いいたします。

今回急に『赤毛のアン』の話が出て来ることがわかって、
それから原作を読み出したので、新年一発目が遅くなってしまいました(笑)
『赤毛のアン』はアニメでしか知らなかったので、
有名な小説だし間違ったことを書いてもいけないので読んでおかないと・・・
私はアンを読むのに適した年齢でもないし、男だし、読めるか心配だったんですが、
今私の中には有希や長谷川や弘子たち女の子がいっぱいいるので、
一緒に読んでくれたので結構おもしろく読めました(笑)
結局はアニメが原作に忠実に作ってあったので、
書いてた話もほとんど手直しする必要ありませんでした。

今年は「オレ女」も佳境に入っていくので、あまり書けることがないので
新年早々、少しくだらない考察でもしてみました(笑)
ヒマつぶしにでも読んでいただければ幸いです。



新年最初のどうでもいい考察「TS属性」

TS属性という言葉がある。
「単にTS属性がある」と言った場合、それには女装も含むかも知れない。
しかし「TS属性しかない」と言った場合は
「俺は入れ替わり、あるいは女性化オンリーで女装はアウト」ということらしい。
しかし「女装もいける」という人の中で「入れ替わりや女性化はダメ」
という人はあまりいない気がする。

なぜ同じTS的な作品を好きな人の中でそういう違いがあるのかを考えてみた。

おそらく「女装はダメ」で「TS属性しかない」という人は
自分が女になった妄想はするものの、
あくまで自分は男として女になった感覚を楽しみたいという事ではないだろうか?
実際に女になってみたいという感覚は持っていない、あるいは少ないのではないかと思う。
つまり男性的な脳の持ち主ではないかと思うのだ。

TS好きの人には、もちろん単純に「面白いから」という人もいると思う。
それは昔からTSをネタにした作品はほとんどが「ギャグもの」だという事からもわかる通り、
「入れ替わり」や「女性化」をドタバタが起こるための
ひとつの「アイテム」としてきた歴史がある。
もちろんそのような作品を描いている人にも、読んでいる人にも
「女になってみたい」という気持ちがある人もいたかも知れないが、
それをストレートに表現出来る下地が無かったから、
ギャグとしてしか企画が通らなかったという事はあると思う。
そうした作品を読んだ人の中には、普通の感覚で「TSは面白い」と思った人も多いだろう。

しかし「女装はダメ」で「TS属性しかない」という人の中にも、
男としてではなく、自分が本当に「女になった」妄想をする人もいるみたいだ。
それではなぜ「現実には女になってみたいと思わない」人が、
妄想の中で「女になってみたい」と思うのか?
それは一種のM的願望の現れなのではないだろうか?

相対的に男よりは女の方が非力といえるし、
歴史的にみれば、近代まで社会的に弱い立場だった時代が長かった。
(今でも社会的弱者だと言う人もいるが・・・)
弱い立場の人間になって、強い人間に思うがままに虐められたい。
無理矢理女にさせられて貶められたい。
そういう「奴隷願望」にも似た気持ちがあるのではないかと思う。
(同じ作品を逆にS的立場から読んでいる人もいるかも知れないが)
そのようなタイプの人にとっては「自ら進んで女装する」ような作品は
受け入れ難いものなのかも知れない。



新年そうそうこんな事を考えてみましたが、みなさんはどうお考えでしょうか?
ちなみに私は「何でもアリ」なタイプです(笑)
そうじゃなきゃこんな「オレ女」のような話は書けないと思います。




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