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美佳ちゃんと秘宝館に行く
北関東にある某秘宝館に暴走気味・百合キャラ美佳ちゃんと一緒に行く。
今回は美佳ちゃんと美晴ママを暴走させないためにリミッターを利かせて小説を書きます。今後は、徐々に、ほのぼのした穏健的な百合作品にしたいと思います。
どこの秘宝館なのかは名前を伏せます。
というのは万が一、15歳未満の人が読むと不味いのではないかと思います。
なおフィクションですからリアリティを落として書きます。
秘宝館とは昭和時代に全盛期を迎えました。性が現代よりもおおらかな時代に流行った「性の博物館」みたいなものです。現代は頭の固い女性団体や某ユ○セフの圧力のため絶滅寸前へと追い詰められました。
月曜日の朝、僕はみんなよりも早く登校して女子トイレの鏡をみて、自分の髪型や顔を見て確認する。
「髪が黒すぎるし重たく感じるから、やはり髪を、ほんの少しだけ茶色く染めようかしら」
僕は女言葉で独り言を言ったとき、背後から美佳ちゃんがやってきた。
「ねえクミ。久しぶり」
「久しぶりね。美佳」
僕は美佳ちゃんと目が合ったが、何も起きないので気持ち悪かった。いつもだったら僕の顔を殴ったりビンタしたりするけど、今日は何もしなかった。
「美佳、インフルエンザは完全に治ったの?」
「おかげさまで」
「よかったわ」
「ねえ、次の土曜日、秘宝館に連れて行ってね。あたし、ネットで見たら興味持ってしまって。さっき美晴さんにメールでお願いしたの。一緒に行きましょう」
「よくわからないけど、美佳と一緒ならいいわ」
「ありがとう」
教室に戻ると、まだ誰も来ていない。
美佳と少しだけ話しをした。美佳も不良になりたい気持ちと、大人ぽい女性になりたいという気持ちで揺れている。美佳は髪を伸ばし髪を茶色く染めている。
「クミ、このあいだたいへんだったね。私、力になれなくてごめんね」
「いいのよ。気にしなくても。1年生の時の仲間が、私のことを心配してくれたから」
「そうなの。で、新しいクラスに馴染んだの?」
「それが、不良のグループに入りそうなんだけど・・・。ほんとうは不良になれば気が楽になるけど、あたしバカが大嫌いだから・・。で、良い子たちの仲間に入ろうと思うの。もっと真面目に勉強して、偏差値が高い高校に入って、ほんとうの良い子になるわ」
「頑張ってね。美佳」
「ありがとう。私、A組の教室に戻るわ」
「またね」
「クミ、また、会いましょう」
始業のチャイムが鳴り、これからホームルームが始まる。あの田口という女子は来ていなかった。
「みんな。おはよう。今週1週間が始まる。5日間頑張ろう。なにか困った事があったら、遠慮なく僕に相談してくれ。それでは出席を取る」
出席を取り、ホームルームが始まった。
「近年、本当の意味での子どもの人権が注目されている。ただ甘やかすだけが人権ではない。時には厳しく指導するのも教育の一つである。僕は決して、イジメを黙認しない。で、田口の件だけど、田口の意志で保健室登校を希望している。これからは、みんなで仲良く良いクラスを作り、たのしい思い出をつくれるように希望する」
僕は担任の三浦先生は正義感に満ちているので尊敬できる。
ホームルームが終わり、休憩時間に入ると、いつものように加藤さんたちとお話をする。
「大野さん。先週は大変だったね。でも一日で謹慎期間が終わって良かった」
「あの時、みんな心配してくれて、ありがとう。うれしかったわ」
「当たり前の事しただけだわ。もし、私が困った事があったら、よろしくね」
「ねえ、まだ2年生になって1週間しかたってないけど、少しずつ信頼できる人を友達にしましょう」
「うん」
僕は1週間一生懸命勉強した。でも、この時代の勉強は難しく感じる。
そして土曜日を迎えた。美佳ちゃんは露出度が高い服装で僕が住んでいるマンションの近くの駐車場に来た。
「クミ、おはよう」
「おはよう美佳ちゃん」
「クミ、ミニスカート似合うわ。脚が細くって長いから」
「はずかしいわ。でも、美佳、服装が水着みたいじゃないの。ジーンズのホットパンツでお尻が半分見えているわ。それにタンクトップは短くって背中とお腹が露出しているから。ちょっと待ってね。パーカーを持ってくる」
「いいのよ。このかっこうのほうが解放的だし」
「だって変な男の人に狙われたら怖い目に遭うわ」
「美佳ちゃん。おはよう。久美子の言うとおりにしたら。ファッションを楽しむのもいいけど、行きすぎると危ない目に遭うから気をつけてね」
「美晴さんが言うなら・・・」
美佳は素直に言うことを聞いた。
パパが自動車を運転する。僕はパパの隣の助手席に座った。
美佳とママは後ろの席に座った。
後ろのほうでアンダーグランドな話題で盛り上がっていた。
「むかしは新宿とか池袋で、OLや女子大生が甘い言葉で騙され誘拐させられて行方不明になって・・・」
怖い話しも出てきた。
「ママ、怖い話しやめてよ」
「いいじゃないの。で、新宿歌舞伎町のストリップ劇場で、むかしは良く・・」
「ママったら、変な話しばっかり詳しいわ。パパ、どう思うの?」
「でもママは、10代の頃は、かなり壮絶な体験をしたから。でも他の女性に比較できないほどの人格者だよ。人の痛みが良くわかる人だし。僕はママと一緒にいると癒され、心が優しくなるから」
「そうなの・・・」
自動車に乗って3時間後に秘宝館に到着した。
途中、パーキングエリアで休憩した。女子トイレは満員で10分も待たされた。
僕が高校生の時、北関東への高速道路は、それほど発達していなかった。途中で一般道を走らなければならなかった。無人コンビニ(?自動販売機がたくさん並んでいる)も一般道にいくつもあり、そこには公衆トイレがあった。昔のほうが今よりも自動販売機がたくさんあった。コンビニが発達した現代、無人コンビニ(?)は絶滅寸前である。
それにパーキングエリアも質素なものだった。2013年には豪華で大きな設備がありトイレはきれいである。
秘宝館についたら、僕と美佳ちゃんを置いて、待ち合わせ時間を決めて、パパとママは別のところに行った。
「美佳ちゃん。久美子、ママには刺激が強すぎるから。特に人工中絶の展示品が。パパと一緒に他のところに遊びにいくらから、午後3時に、この駐車場で待ち合わせしましょう。なんかあったら携帯電話で連絡してね」
「わかったわ」
「パパ、運転気をつけてね」
「久美子も気をつけて、十分楽しみなさい」
僕たちは秘宝館の中に入った。ドキツイ色使いと昭和を感じさせるレトロな雰囲気。でも性に対して真面目に取り組む姿勢を感じた。
中に入る前に「悪人及び性を弾圧する者は、入るべからず」という表示があった。
そして力強いスローガンが掲げられていた。
「性を抑圧する宗教、過激な女性団体、偽善的な慈善団体に対して私たちは断固戦います!性を楽しむことは人類全ての権利。守ろうセックスの自由を」
チケットにもそれが書かれていた。
美佳ちゃんは、展示品をみて叫びながら歩いて行った。
「ねえ美佳、もっと静にみられないの」
「だって、とてもおもしろいし、刺激的な物がたくさんあるわ」
「でも、内装は豪華だけど、雰囲気が昭和という感じだわ」
そして身体障害者の性についての説明もあり興味深く感じた。いかにも全ての人に性の自由を強調していることを実感した。また高齢者の性生活も展示してあった。
短時間で一通りを見終えてしまった。
21世紀初頭、性に対して多様性がある。近親相姦やSMなど、さらには獣姦など抜けている部分がある。逆に18歳未満の性的搾取問題も取り上げており、児童ポルノにたいして反対している。
医学的な内容から社会的・政治的な内容まで真面目に取り組んでいる。
僕たちは、もう一度、秘宝館の中をゆっくり見学することにした。
「ねえクミ。この秘宝館、内容がいまいちものたりないわ」
「そうだね。中学生である私たちが既に知っていることが、まだ取り上げられていないし」
「でもクミ。狭く深く性に対して追求しているじゃないの」
「そうかも知れない」
「ねえ江戸時代のセックスのイラストがあるわ」
「日本画で男女の営みが書かれているのね」
僕は興味深く、じっくり日本画を見続けていた。
休憩所に入り、僕たちはイスに座った。だがイスだと思ったのは男性性器の大きな模型だった。
「なんなのこれ!」
「男性性器の大型模型のイスだわ」
「ちょっと恥ずかしいわ」
「別のところで休みましょう」
他の場所に行った。僕はトイレに入った。ステンドグラスがいかにもエッチなデザインのモノだけど、トイレはすごく高級感を感じた。
そして休憩室にはいり美佳と性について話し合った。
「クミ、あんた殴られるのが好きでしょう。本気で殴るキャットファイトの殴られ役などいいじゃないの。毎回、負けてもファンがつくし」
「でも、顔がボコボコにされそうで」
「私たち、まだ中学生じゃないの。顔を殴られても20代の女性と違って、すぐに元に戻るし、殴られた分、顔も頑丈になるから」
「美佳、変なこと言わないで。たしかに私、顔を思い切り殴られると気持ちいいけど」
「今度、女子ボクシングごっこしたいわ。あんたが殴られ役で」
次第に美佳が暴走するので、別の話題に切り替えた。
「話しが違うけど、美佳は最近、髪を染めたのね。似合うけど校則では髪を染めるのは禁じられているけど」
美佳は僕の背中を思い切り叩いた。
「クミ。あんた考え方、堅いわ。守れない規則を作るのが悪いのよ。」
「そうかな。私、大人っぽいから自分に自信がない女子から嫉妬されるの。少し髪を伸ばし、髪の毛を茶色く染めたいの」
「それは、あんたの自由じゃないの。明日、美容院に行って髪を染めてもらったら」
「でも担任の先生が厳しいから。それに、このあいだ暴力事件を起こしたばかりで、いまいち髪を染める決心がつかないの」
「むずかしい問題だわ」
「そうでしょう。難しい問題だわ」
「ちょっと喫茶室でお茶飲みましょう」
喫茶室に入り美佳が暴走しないように話題を身長に選びながら話した。
「でも、あたし自分よりも弱いものをいじめるバカは大嫌い」
「美佳は小学生の時、散々いじめられたから」
「そうなの。で、いじめっ子の思考の特徴は、自分に害がなくても、誰かをいじめないと、自分が必ずいじめられるという自己防衛型。いじめると自分に良い事が起きると期待する論理崩壊型。それに自分以外は全て敵だと思う人格崩壊型。とにかく、いじめっ子は人間のクズ以下だわ。生きている価値はない。そんな子は義務教育を受ける権利は一切無いわ」
美佳の意見はやや過激気味になり熱く語りはじめた。
「そうね。美佳、あなたの意見、おおいに賛成できる」
「でしょう。劣る優れている以前よりも、私たち人間らしくならないと」
「そうだね」
「ねえ、もう一週しない秘宝館の中を」
「もう飽きたわ。なんだか内容が狭いような気がして。ケバケバしくて気持ち悪いし」
「私もそう思うわ」
「ちょっと美晴さんと連絡するわ」
美佳は美晴ママに携帯電話で連絡したが、現在、通じない。
「しょうがないメールでも送るか」
美佳はメールを送った。
そして秘宝館を出て、周囲を二人で散歩した。
「秘宝館のまわりバイクがたくさんあるね。クミ」
「そうね」
「何か話題ないの?」
「私たち2年生になったでしょう。ぐずぐずしていたらすぐに3年生になる。早く高校生になれるのはいいけど、偏差値が低い高校だとイジメも多いわ」
「そんな事ないわ。偏差値が高くてもイジメがあるわ。よほどの進学校でないと。特に市内の都立高校ではないとね」
「私たちの学力では、市内の高校に入れないわ」
「ねえ私たち一緒に同じ高校に入りましょう。そして高校卒業したら一緒にアパートで生活しましょう」
「このあいだ、言ったでしょう。私、覚えているわ」
「そうだね大切な約束だね」
人通りが少なくなり、自動車が通らないので、二人は口づけをした。
「美佳、私、あなたのこと愛しているわ」
「クミ、私も愛しているわ」
二人は見つめ合った。
その時、美佳の携帯電話が鳴った。
「美佳ちゃん、どうしたの?」
「いや、思ったほど内容が少ないので。今、私たち秘宝館の周りを散歩していたの」
「そうなの」
「ねえ、美晴さん。用事すんだの」
「いま用事を済ませるから」
「もう帰りたくなったわ」
「じゃあ駐車場で待っていてね」
「わかりました。駐車場で待っているから」
「クミ、駐車場で待ちましょう」
それから30分後に、パパが運転する自動車が戻って来た。
「久美子、どうだった」
「ちょっと昭和という雰囲気が楽しめたくらいかな。でも勉強になった」
「それは良かったな」
「ねえパパ、今度、家族だけで入れる温泉に行きたいわ」
「仕事が暇になれば、いつでもいいよ」
「ありがとうパパ。約束よ」
そして東京に向かって帰った。
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