『ターミネーター:新起動/ジェニシス』 - 「I'll be back」と元州知事は言った
ターミネーター:新起動/ジェニシス
TERMINATOR: GENISYS
2015(2015)/アメリカ 監督/アラン・テイラー 出演/アーノルド・シュワルツェネッガー/ジェイソン・クラーク/エミリア・クラーク/ジェイ・コートニー/イ・ビョンホン/J・K・シモンズ/他
ターミネーターの新作というか、カリフォルニア元州知事が銀幕の中で生きて動いているだけで爽やかな感動を覚える今日このごろですが、皆様方が大好きなスマホ握って四十六時中「溶鉱炉が~溶鉱炉に~!」と観てもいない『ターミネーター2
ほで、「ターミネーターの新作」とか書いておいてアレですが、本作に「3」の正統な続編、「4」のスカイネットとの戦争以降、を、期待していると肩透かしを喰らい、かと言ってシリーズの熱量あるリブートを期待していると肩外しを喰らい、別物たる新作を期待していると肩の凝り・冷え・むくみがとんでもない事になる。じゃあこれは何なんだ、私が観たものは一体全体何だったのだ、その謎を解明するため、私は飛騨の奥地、地図にも載っていない寒村へと飛んで行ったら、まあ、面白かったのだが、さふいふ努力を放棄してとりあえずパンフレットをめくってみると、監督もシュワも熱っぽく「1」と「2」の話をするばかりで本作の立ち位置への明言を避けているようにも読める。そこで何らかをば察した私は「ファンジンファンジン」と謎の文言を唱えながら屁をひるなどしているわけであるが。
「1」と「2」そしてちょびっと「3」の要素を自由闊達に交えつつ、キャメロンのお墨付きをバックに好き勝手をやる様子は、いや、その好き勝手を観てキャメロンは巧妙に言質を取らせないようにお墨付きを与えたそうなのだが、兎角観ていて清々しい。その清々しさはサラ・コナーにジョン・コナー、カイル・リースといったシリーズ通してのキーキャラクターに新たな人格を付与(婉曲的表現)したという事実に起因するものでもあるし、あのT-800やT-1000にリスペクトの欠片も感じられない仕打ちを行なうという点に於かれましては本作の監督と脚本にある種の聖性すら感じた程です。
タイムラインの分岐に対し実に不誠実なのも舌をペロッと出した製作陣の表情が見えるようで良い。上書きを繰り返す歴史上のifに血管を浮かせて何事かを抗議するのは無粋であると言わんばかりの歴史改変、しいては原作改変に観客の魂のピナスは屹立し、セルフオマージュに絡めてお約束が破壊されていくに至って絶頂を迎える。ご存知の通りタイムパラドックスはいにしえよりSF映画の
しかしシリーズに復帰したシュワの多幸感よ。ふたたびの百万ドルの笑顔を始めとする彼の表情、行動、台詞、行間、朦朧とした動きに成熟したエロスを感じるのは、何も彼が本作に備えてトレーニングを行なっていたという事実にのみ裏打ちされるものでもあるまいが、サラ・コナーを演じたエミリア・クラーク、カイル・リースを演じたジェイ・コートニーとの剣呑ながらコメディカルな擬似的家族風の交流もその一因を担っているのであろう、核弾頭が飛び交う冒頭から一転、シュワ萌えアヰドル映画になるとは思わなんだ。あっもともとそうかっ。アイルビーバック。
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20150713 │ 映画 │ コメント : 0 │ トラックバック : 0 │ Edit