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第六十話~明日もまた葵さんの頬は…………。~
「バイバーイ♪」
「それじゃあまた明日学校で。」
「うん、また明日。」
「バイバイ。」
…………明日もまた葵さんの頬は赤くなるのだろうか?
僕は手を振って歩いていった二人を見てそう思っていた。
「明日から本格的に高校が始まるなー。」
はやくクラスに馴染めればいいけど。
髪染めていこうかな。
…………髪のこと気にしすぎだろ、とか思わないでね。
まぁ、気にしてるんだけど。
「そうだね。楽しみだなぁ…………勉強以外は。」
「勉強以外は、とか言ってるけど、勉強ができるなんてね。」
優香は勉強だけはできる。
たまにアホなこと言ってるけど。
僕が優香と同じ高校にはいれたのは優香のお陰だ。
「できたって、嫌いなものは嫌いなんだもん。」
「僕も勉強は嫌いかな。」
…………勉強が好きな人っているのかな?
少なからずいるとは思うけど、あまり見かけない。
僕の回りにはいないし。
「優香、優衣、学校は楽しそうか?」
兄さんが突然聞いてきた。
「うん。楽しそうだよ。クラスの人はみんないい人っぽいし。」
「でも、優衣ちゃん髪の毛ばっかり気にしてる。」
「まぁ、基本的に髪を染めたまま学校に入ったら叩き出されたりするからな。みんなから不思議そうな目で見られるだろ?」
「うん。」
「気にしなくていいさ。すぐに何人かのやつが不思議そうに聞いてくるだろうから、そんとき友達作ればいい。」
「…………うん。ありがとう兄さん。」
僕はそう言って微笑んだ。
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